みつば、ふきのとう
 
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どちらも、都会の八百屋やスーパーで手にはいる。でも、できることなら山歩きのついでに摘んできたい。みつば、ふきのとうならば、だれにでも見分けはつくはずだ。

奥多摩や中央沿線の山では、みつばは見つけやすいと思う。すでに舗装された道路の脇などでも、気をつければ、点々と生えるみつばが目につくに違いない。5、6回足を止めれば、おつゆの身にするぐらいは採れる。

沢沿いに登る山道などでは、往々にして、かたまって生えている所があり、そうした所に気がつけば、お浸しにするほども手にはいるにちがいない。

山の昼食が即席麺ならば、2、3本のみつばをきざんで散らすと、味と香りが一段とますだろう。

おつゆに散らすといえば、ふきのとう。春早いころ、やっとひとつふたつ見つけた、ふきのとうならば、お味噌汁のできあがりに、細かくきざみ、そのままパッと振りこむと、黄緑の色がさえて、これぞ春という香りがたつ。

乾きぎみの東京近くの山では、ふきのとうは、それほど多くは見つからない。一方、雪の多い土地では、残雪の消えかかる端から、「出るわ、出るわ」というほど、次々に顔をだす。雪の下で育ったふきのとうは、色浅く、やわらかで苦味も少ない。洗ってそのままサラダにしてもよいぐらいだ。

「あまりにたくさん出てくるし、育てばすごく大きくばらけて伸びるから、ここらではバッケというんだ」と、青森の写真家一戸義孝さんが教えてくれた。

ふきのとうは、てんぷらもおいしいが、たくさん採れたとき、わが家では、油でいためて甘味のきいたふき味噌をつくっている。

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