32. 伊予ヶ岳
   1993(平成5)年12月24日

房総の、つまり千葉県の山はみな500㍍にもとどかなくて、標高から見ればイマイチどころかイマゴぐらいのものだが、低いながらも個性のある山が少なくない。それにたっぷりの陽射しをあびて明るく暖かく、冬の山歩きにはちょうどいい。私はこれまで3、4回出かけ、烏場山(花嫁街道)、高宕山、富山、御殿山、伊予ヶ岳、元清澄山などに登ったが、とりわけ、この伊予ヶ岳と御殿山がよい山だったと記憶に残っている。

この日は内房線岩井駅から、まず富山(350㍍)に登った後、伊予ヶ岳(337㍍)にも足を延ばした。下山後は浜金谷からの東京湾横断フェリーや横須賀線で帰ったが、横須賀線の車中、隣に座った中年おばさんの漆喰壁のような厚化粧と香水の刺激臭で息も詰まらんばかり、また、そのおばさんが『マジソン郡の橋』に夢中だったことも、この伊予ヶ岳と結びつく思い出になっている。



上 天神郷の平群天神社から登れば、ほんの40分ほどの登りだったが、山頂近くは高度感のある岩尾根になっていた。

中 登山口付近から仰ぐ伊予ヶ岳。

下 伊予ヶ岳には北峰と南峰があり、これは南峰の頂上だと思う。転落防止の鉄鎖で囲ってあった。

(2014.9)

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