25.南平山
   1991(平成3)年11月15日

栃木県の川治温泉近くに南平山(なんだいらやま)という1007.4㍍の小さな山がある。昔、戦いに敗れた平家の残党が落ちてきて、この山のどこかに財宝を隠したという伝説もともかく、川治温泉といえば、私が戦時中小学6年生の時に集団疎開で半年間くらしたところでもある。当時の思い出には嫌なことが大半だが、野岩鉄道会津鬼怒川線が通じた今日、その辺がどう変わっているか一度くらいは見ておくのもよいだろう、それならば南平山に登るついでにと出かけてみた。

同行は高校時代からの友人斜山三吉と寺田政晴君。寺田君は斜山と何回か一緒に歩いたことがあり、その都度「斜山さんはいい人だ、いい人だ」と繰り返しいっていた。それを「おい斜山、寺田君にいわせると、お前はいい人なんだそうだ」というと、「当たり前よ、横山と較べれば、誰だっていい人だ。中でも俺なんかダントツだよ」。斜山については本欄「18. 苗場山」を参照のこと。



上 山頂からは木の間ごしに高原山が大きく見えていた。目の下は川治の温泉街。

中・下 南平山の道中。 

(2014.7)

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