山伏岳 
   1979(昭和54)年3月25日

静岡県は安倍奥の雄峰山伏岳2014㍍。山田哲郎さんと登りにいった。前夜は大野木集落の大野木荘に泊まったが、夜半まで雨が激しく降っていた。しかし、一夜明けると予報が大当たりの大快晴、ただし、この雨が上では雪になっているだろうと心配だった。



上 山伏岳山頂。広々と眺めがよく、一面の笹原が新雪に覆われていた。

中 宿から安倍川ぞいに30分も上に歩くと新田の集落で、ここから左に折れていく。途中で大谷崩れへの道を分けると、やがて、この写真のような西日影沢をつめていく山伏岳の登山口。ちなみに新田の辺りでの安倍川の川床はせいぜい700㍍しかなく、山頂までは1300㍍をぐんぐん登っていかなくてはならない。ちなみに標高差にして1000㍍以上を日帰りで上下するのは決して楽な山とはいえないだろう。

なお、今は近くの峠を車道が越すようになり、その峠まで車であがってしまえば楽に登れるようになったと聞くが本当だろうか。

下 山頂からは南に幅広い尾根をたどったが、雪原に顔を出す笹叢と疎林をぬって、まるで迷路のようだった。切れ切れながら先行者の踏跡があってそれほど迷わずにすんだのは幸いで、「前に歩いた人の道探しの力量はたいしたものだ」と感心した。1785㍍峰の脇から西日影沢の谷にくだれば、これが小刻みに向きを変えるすこぶる急なジグザグ道。河原へおりついてからもしばらくは身体の振動がとまらず、膝もガクガクだった。

(2013.10)

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