

八幡平から国見温泉 |
1971(昭和46)年7月28日~8月2日 |
夫婦二人、八幡平から裏岩手縦走路をたどり、後半は秋田駒ヶ岳へと続く草原と湿原の多い尾根をたどった。畚岳手前でのツェルト泊を手始めに大深山荘、八瀬森山荘、田代平山荘の各無人小屋に泊まったあと国見温泉の国民宿舎森山荘にくだって荷を降ろした。
この山行で忘れがたいのは八瀬森の湿原を歩いていたときだったか、頭上低くを盛んに双発の対潜哨戒機P2Vが飛んでいたことだった。では、どうして対潜哨戒機とわかったかは、つい先頃、そのプラモデルを作ったばかり。そこで、なぜ、こんな飛行機が山の上を飛んでいるのだろうと不思議に思っていたが、国見温泉の宿で新聞を見たら、近くの雫石上空で日航機と自衛隊機の空中衝突事故が報じられていて、それで墜落機を探していたのだと合点がいった。
なお、この山行の最後は秋田駒ヶ岳に登って締めくくろうと思っていたが、その分岐までくると、なんとなく「もう、いいや」の気分になり、秋田駒を横目に見ながら横長根を国見温泉にくだってしまった。どうも私にはツメのあまいところがあり、日常生活のうえでも何度か「もう、いいや」を繰り返し、あとで「しまった」と臍をかんでいる。このときは暑い中、大きな荷を背負っての疲れもあったろうが、今になれば登っておけばよかったと悔むことしきりだ。
上中下 私好みの広々とした草原や湿原を楽しみながらの尾根伝いだった。
(2013.9)
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