御座山
   1974(昭和49)年6月3日

近頃、当ホームページご主人運転の「ロッジ山旅号」で小海線に沿って走る機会がしばしばあるが、その都度、「あぁ、大きな山だな、立派な山だな」と見入るのが、この2112㍍の御座山(おぐらやま)である。

かつて故浅野孝一さんが「佐久の翠巒(すいらん)」とも称えた緑濃い山であり、この地方を代表する名山といってよいであろう。残念なことに、私は同じ小海線沿線の茂来山1718㍍にはこれまで3度ほど登っているが、こちらの御座山には1度しか登っていなくて、それもだいぶ前のことになってしまった。どの登山口からも標高差1000㍍ほどもあるとなれば、もう、これから先、御座山に登ることはないだろう。この歳になると、日帰りの山では標高差5、600㍍を登っておりてくるのが精一杯になってきた。

さて、この40年近く昔の御座山。前日は小海線小海駅から白岩まで入って民宿御座山荘泊、当日は北側の三寸木から尾根に取り付いて登り一方の道をたどり、山頂までは約4時間近くかかった。今、この時の記録を見ると、「シャクナゲ多し、八ヶ岳見える、深山の気」などと記してある。山頂は360度に眺めがきく岩っぽい高まりで、長く休んだ。

下りは南に一直線の道を上栗尾へおり、集落道を1時間少々歩いた中島からはタクシーで小海駅へ戻った。小海発は3時21分、小淵沢からは急行「アルプス」を奮発したと記録に残っている。


(2013.7)

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