久住山
  1981(昭和56)年11月15〜21日

全国JRグリーン車乗り放題・お1人さま70000円の「フルムーン」。一度、これを使って遠出をしてみようと出かけたのが九州の山。

由布山を手始めに、久住の山々を稼いだあとは長崎近くの太良岳で締めくくった。久住では法華院温泉に2泊し、大船山、稲星山、久住山、肥前ヶ城、星生山などに登った。よいお天気に恵まれ、楽しい1週間だった。

なお、この翌82年、味をしめた「フルムーン」で再び九州にいき、えびの高原を歩き、韓国岳、新燃岳、さらには開門岳などに登った。高千穂峰は近くまでいったものの蟻の如くに人がたかっているのを見て嫌になり、登らずじまいにしてしまったが、今になると惜しいことをしたと思っている。



上 久住山山頂。お天気よろしく、眺めは抜群だった。

中 「山の湯の あまたの中の 法華院」とは、1959年2月、深田久弥さんが久住山(深田さんの紀行文では九重山)に登るべく法華院温泉に宿をとった折、出された色紙に記した一筆。深田さん自身は「これは季が無いから、俳句ではないだろう」とご謙遜だが、温泉そのものは「静かな、眺めのいい、湯量の豊かな温泉であった」と大いに褒めている。私たちが泊まったのは季節外れでほかには泊り客はなく、がらすきだった。

寒いからと練炭火鉢をおいてくれたが、換気のために窓を開けといてくださいとあって、部屋は少しも暖かくならない。そこで風呂ばかりに入っていて、すっかり脂が抜けてしまった。でも、無色透明の、深田さんがいうとおりの、気持ちのよい湯だった。

下 法華院温泉の建物が右下隅に見えている。山は、おそらく登っているには違いないが、はて、どの山だろうか。

(2013.5)                       

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