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         荒船山  2014.11.5



前年の6月、まだ初々しい緑に覆われた荒船山を歩いて(参照)、これはぜひとも紅葉のころにも歩いてみたいものだと思った。横浜YYグループの皆さんが荒船山に行きたいというので、この時期ならまだ紅葉も残っているかと期待して出かけたのだったが、少々遅かった。

荒船不動あたりでは木々は葉を残していたが、星尾峠ではすでに初冬の風情である。荒船の甲板に上がればむろん冬枯れの山だった。

それまで人けのなかったのが、甲板上では次々と他の登山者とすれ違う。内山峠から登る人がずっと多いようだ。しかし、コースとしては荒船不動から登って、先に甲板を歩いてから艫岩に至る方がずっとすぐれていると思う。

長く平坦に歩いていたのが、突然、絶壁の淵に出る。こんな体験は他の山にはない。関東地方外縁のこの山あたりが天気の境目らしく、群馬側に雲が多く、長野県側には青空が見えていた。こちらへ向かう途中の車窓からはずっと見えていた浅間山は、艫岩に着いたときには雲に隠れてしまっていた。そのかわり、真っ白になった北アルプスがはっきりと見える。

普通なら荒船不動へ往路を戻ることになるのだが、それでは芸がないので、内山峠へ下る途中から藪尾根を下ることにした。かつてこのあたりはスズタケの繁茂で登山道をそれると大変だったが、今では勢いが衰えて、藪漕ぎが楽になった。それにしても踏跡らしいものはケモノのそれである。

グループにはまだ山歩きを始めたばかりの人もいたので、当たり前だがケモノ道を歩いたのは初めてだったろう。

(2020.5)

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