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           光城山・長峰山 2011.3.10



甲州や信州の中低山の魅力は、日本を代表するような高い山々を指呼の間に眺められることであろう。こればかりは他の地域、ことに西日本にはないことで、そこに住む我々は恵まれている。もっとも、それが理由でわざわざ選んで住んでいるわけではあるが。

桜で有名な光城山も、その時季に登ったことはない。いかに桜が良かろうとも、花見客でごった返しているような山を歩きたいとは思わないからである。それに展望重視なら冬に限る。しかし、北アルプスは好天の確率が低いからイチかバチかで出かけるわけだが、この日もまずまずの展望が得られたのは幸いだった。

以前登ったとき、光城山と長峰山との間に何基もの墓がひっそりとあるのを見て、なんでこんなところにと思ったものだったが、この日は地元のボランティアガイドが途中から同道してくれ、山の東側にある廃村を案内してくれたことで疑問がとけた。

この翌日、東日本大震災が起こった。その惨事がこの日の記憶と入り混じるところがどうしてもあり、廃村を見たこともあいまって、無常という言葉が頭をよぎるのである。


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