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          雨乞岳 2008.10.9



平久保池畔に「ヴィレッジ白州」のコテージ群ができたとき、付随的に雨乞岳側に遊歩道が整備されたのだろうが、これこそ謎の歩道で、案内板もなければ展望のいい場所があるわけでも、ベンチや東屋のひとつもあるわけでもない。いったいどこまで続くのだろうと思って登ってみたが、登れども登れども終点がない。やがて唐突に道がなくなったところが終点であった。そこまで標高差にして300mほども登っていた。

歩道の終点からスズタケの藪の中へと踏跡が続いていた。赤テープも巻いてある。おそらくここから雨乞岳へ登れるのだろう、いつかは歩いてみたいものだと思っているうちに、この径が整備されたとの話を聞いた。これで雨乞岳に登ったという話も数人から聞かされた。それで遅ればせながら木曜山行の計画に取り入れたのだった。遊歩道を歩いてから6年たっていた。

かつては林床をおおっていたスズタケが、他の南アルプス前衛の山の例にもれず、すべて枯れていて、林が明るくすっきりしている。径は実にうまくつけられていて、これはきっと昔からあった仕事径に手を入れたものだろうと思われた。

ダケカンバやツガ、そして天然のカラマツの巨木も多い。これはすばらしい登路だと思って、後にガイドブック改訂のときにこのコースでの雨乞岳を入れることにしたのだった。

このころからクリオは山でバテるようになった。歳も取ったし、写真を見るとかなり肥えているので無理もない。我々が休憩していると、そばでじっとうずくまっていて、そんなことはそれまでにはなかったなあとこの日思ったことを思い出した。


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