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      田沢川左岸尾根から日向山 2008.5.22



日向山には数えきれないほど登ってきたので、さすがに矢立石や錦滝からではたとえ季節を変えても新味は少ない。

たまたま白州町の喫茶店『テラス』に寄ったとき、東麓から日向山に登ったという話を聞いた。地図で調べると、なるほど日向山の主脈といえるのは、東麓に発する田沢川左岸尾根である。

矢立石に通じる尾白川林道が開通する前にも日向山に登る径はあっただろうし、古くから仕事径もあったに違いなく、それらは径のつけやすいこの尾根筋に通じていたのに違いないのである。残された文章に詳細が書かれていないから断言はできないが、ひょっとするとかの松濤明も甲斐駒から下ってきたときこの尾根をたどったのかもしれない。

この年の4月、雪が少なくなったころを見計らって調査し、立派な径が通じていることを確認した。古い道標もあった。その日は前日に新雪が降って、白砂の雁ヶ原が雪に埋められてさらに白くなった景色を見ることができた。

その樹林の良さから、これは何としても新緑を見に行かなければとさっそく計画したのがこの日の木曜山行だった。そしてミツバツツジと芽吹きの美しさに感嘆を新たにしたのだった。すばらしい樹形のブナに思わず足をとめたことも何度かあった。ほとんど歩かれることのない径がこれだけ完璧なことは滅多にない。

右最上段が林を抜け雁ヶ原へと登りつめていくところの写真だが、まるで海辺の砂浜に下りていくのを逆にしたようで面白い。断言してもいいが、この田沢川左岸尾根こそが日向山に登る最高のルートである。

(2015.3) 木曜山行の報告へ

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