日向山(長坂上条)

日向山に登る新案はないかと、東麓から尾根をたどってみることにした。登りにとった田沢川の左岸尾根は、樹林のよさ、径のよさ、ともに出色である。頂上に近づくとあたりは笹原になり空が明るくなっていく。やがて笹の上に砂が積もりはじめ、あの雁ヶ原へと導かれていく。雄大な八ヶ岳を背にして登ると、目の前に甲斐駒がせり出してくる。帰りは田沢川右岸尾根を駆け下った。舗装路をたった数十メートルしか歩かずに車に戻れる周遊コースである。
湯ノ丸山(嬬恋田代)

予報では、長野県中部ではまずまずの天気となるはずだったので、朝方のかなりの雨にもめげず出発した。ところが北へ向かっても雨脚は強まるばかり。地藏峠に着いたら一応雨はやんだので歩き出す。レンゲツツジにはまだ早かったが、イワカガミがそこら中で盛りである。頂上へ着いたが、結局霧は晴れなかった。それどころか強い雨さえ降ってきたので、さっさと下ることにした。人気の山もこの天気とあっては貸切で、その点ではなかなかよかった。
十文字峠〜大山(居倉)

濡れるほどの霧雨の朝だったが、川上村へ入ると前方の空が明るく開け、武信国境の山山が姿をあらわした。毛木平への道すがら、落葉松と白樺の林床のベニバナイチヤクソウもちょうど盛りである。十文字小屋付近のシャクナゲは少々盛りを過ぎていたが、大山周辺ではまだつぼみの花もあった。花の数は多くはないようだ。予報のせいか、この時季だというのにほとんど登山者はいない。誰もいない大山頂上で四囲の大展望を楽しみながら、1時間を過ごした。

茶臼山(山辺・和田)

昨夏、はかばかしい展望がなかったのが残念だったので、今年はレンゲツツジの時季にあわせて計画してみたが、ところが木の病気だろうか、ことに牧場内ではほとんど全滅といってもいい状態だった。しかし、溶岩台地へと登りつめていく百曲の径の良さ、突如開ける大草原、茶臼山での展望、そして茶臼山西尾根のしっとりとした森の雰囲気、世にハイキングコースは数あれど、第一級の散策コースだとあらためて思った。
にゅう〜稲子岳(蓼科)

稲子岳はこの時季の恒例だが、年によって花の様子は違う。これまで、イワカガミとコマクサが両方盛りということはなかったが、今年はいずれも小ぶりながら、まずまずの花を見ることができた。ことに、イワカガミが稲子岳の暗い森の苔むした林床をびっしりと埋めている様は壮観というしかない。森に霧がただよい、じつに幻想的だった。稲子岳の凹地では、横に低く枝を伸ばしたマメザクラが、まだ花をつけていた。

乗鞍岳(乗鞍岳)

落石で乗鞍高原からの車道が通行止で平湯へ転進した。観光客が大挙する乗鞍も、乗鞍高原からのアプローチが断たれれば、ほとんど入山者はいなくなる。平湯から登る人も、梅雨時の平日、そのうえ悪い予報とあってはほとんどいないはず。ならば乗鞍岳を静かに歩けるのではなかろうか。ねらいはピタリと当たって、静寂の乗鞍岳を楽しむことができた。天気の心配も杞憂に終わり、頂上一帯は雲の上、残雪も多く、さすがは3000mであった。
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