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           戸谷峰 2007.3.8



戸谷峰は山村正光さんの『中央本線各駅登山』(山と溪谷社)で知った。鉢伏山や武石峰から、また松本へ向かう高速道路からこの山を見ると、なかなかりりしい三角形の、ひとかどの存在感のある山である。しかしあたりにスター級の山が並ぶ安曇野であれば、気に留める人も少ないのだろう、誰もがこぞって登る山ではないらしい。

もう10年以上前、やはり山村さんの本を参考にしてこの山に登ったという横山厚夫さんが同行してくれることになった。前回、登ってきたと山村さんに報告したら、「よくそんなところへ行きましたね」と呆れられたそうだ。自分で紹介しておいてその言い草はないとは思うが、いかにも山村さんらしい。

鹿教湯へ通じる国道脇の、送電鉄塔巡視路への鉄の階段がすなわち登山道の入口であり、やたらと交通量の多いトラックにおびえながらの入山である。これだけ情緒のない登山口も珍しい。

稜線に立つ鉄塔までその巡視路を登るわけだが、とにかくひたすらの登りで、その分勝負は早かった。北アルプスの展望は残念ながら駄目だったものの、その他の方向の山々はわりと遠くまで眺められた。写真に見られる白い山は鉢伏山から二ツ山にかけてである。

稜線に出てからは、樹林の雰囲気のいい尾根歩きだったように覚えているのだが、頂上の記憶がほとんどない。ひどい登山口の印象が強すぎるからだろうか。もしまた登るとしたら、この入口からはまっぴらだから、北側から登ってみたいと思う。

(2015.2)  木曜山行報告へ

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