永明寺山北方稜線 (南大塩

名古屋のNさんが早朝発で来てくれるというので、途中で落ち合って、車が2台あると便利な縦走を考えた。仕事の都合で早くは出られないので、行程は短いほうがいい。そこで思いついたのが、永明寺山北方稜線だった。

2017年の新年山行でこの稜線を歩いたが、予定なかばで里へ下ってしまった。その後、桑原城址からや吉田山からつまみ食い的に何度か歩いて足跡はしるしている。だが、通して歩いたことはなかったので、今回は2017年とは逆コースにして、ゴールを永明寺山公園とした。

急きょ、東京のOさんも参加することになり、名古屋と東京の人がちょうど真ん中あたりの諏訪の山で落ち合うことになった。

茅野への道々、行く手に大きな虹がかかって、ちょうどその下が歩く稜線だというので幸先がいいかと思っていたら、すこぶる不安定な天気で、目まぐるしく空模様が変わった。

本来なら諏訪市と茅野市の境界になるべき稜線だが、市境は稜線の東側に直線的にあって、どういう経緯でこうなったのか不思議である。したがって、この稜線は、永明寺山付近をのぞけば、ほぼ諏訪市内にある。

小春日和でもあったら、ゆっくりとしたい場所も、寒風に追われて足早に通り過ぎた。それでも終始ふかふかの落ち葉を踏んで、初冬らしい山歩きを満喫した。

御嶽古道 上道(甲府北部)

今月初め、平田ガイドご一行と金桜峠から獅子平へと歩いたとき、あたらしい道標がところどころにつけられているのを見た。あのあたりを歩いても、最近では道ではないところを下ってしまっていたので、ずっと気が付かないままだったのである。いわく「御嶽古道上道」とある。

要するに、羅漢寺山塊の南の端、すなわち荒川と亀沢川の分岐から盛り上がる尾根上の径をそういうので、2015年の木曜山行で歩いたときの記録に簡単に書き残してある。私がこの山塊のいろいろを教えてもらった原全教の本には、吉沢からの外道はあっても、この尾根道は記載されていない。外道すなわち下道とすれば、上道の意味がわかる。

2015年当時、まったく整備されている形跡のなかった尾根道に手を入れたということらしいので、これは今一度歩いてみなければなと思っていた。

足の不調などで久しぶりに参加するたわらさんが、軽い山歩きをというご所望で、それではと、この上道をさっそく歩きに行くことにした。そもそも傾斜はゆるく、倒木が多かった以外にさほどの藪もなかったのだから、その後手が入ったというならなおさら歩きやすくなっていることだろう。

先週の永明寺山北方稜線にも似た尾根歩きではあるが、打って変わった小春日和、標高も低いこともあって、実にのんびりした山歩きとなった。倒木もすっかり片づけられていた。今回は短い行程で終えたが、金桜峠から、羅漢寺山塊全山縦走というのも大した距離でもなく楽しめると思う。

歩きだして間もなく、前には気づかなかった石祠があるのを見つけた。尾根筋から少し離れているので目につきにくい。

へえ、これは珍しい、亀の上に祠が乗っている。亀は自然石に彫られている。帰ってからネットで調べたら、まあ、あらゆるものが載っているもので、そこでは中国由来のうんちくが書かれていた。しかし、ここの地名が亀沢で、その由来が亀石という岩に由来すると思えば、そんなところにも関係があるのではないかと想像した。

ちなみに、この外道、上道を問わず、御嶽参詣路には石造物が少ない。というよりないに等しい。これだけの歴史のある道なのに不思議なことである。

樹林がすばらしい道である。芽が吹いたころ、またルート設定を変えて歩きたいものだと思った。
海岸寺山~源太ヶ城山(谷戸)

今年の木曜山行納会の山をどうしようかと考えて、久しぶりに源太ヶ城山を訪れることにした。調べてみたら、納会の山として登るのは2005年以来のことで、18年ぶりとなる。同じ山に登るにも、ちょっと工夫をというわけで、今回は海岸寺山と組み合わせることにした。

浅川峠東の1124.6m三角点の点名が「海岸寺」であることから、ここが海岸寺山とされているが、これは点名信仰の一種で、あきらかな間違い。浅川峠の西の山こそが海岸寺の背後にあって、海岸寺山と名付けるのにふさわしい。この海岸寺山も納会登山で登ったことがあり、2009年のことだった。

今回は、いまでは滅多に人が歩くことのない、海岸寺参道石段を下から登って海岸寺に参り、海岸寺山に登って源太ヶ城山へ縦走するという計画である。

半ば落ち葉に埋もれた参道の石段、静謐の海岸寺、海岸寺山から源太ヶ城山への美しい樹林の稜線、もう久しく車の通った形跡のない林道、崩壊したのろし台、枝越しに見える豪華な山々の風景、下山に選んだ尾根道のやわらかさ。

5人が冬の軽い山歩きを満喫したのち、夜の部の隠れ家料理屋には6人が加わった。山も料理屋も貸切で、歓談も気兼ねない。おおいに盛り上がって今年の最後をしめくくった。

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