霧ヶ峰グライダー場周回コース(霧ヶ峰

今週の木曜は所用があるので、山行は月曜に替えることにしていたが、あいにく参加希望者はなく、そのかわりといっては何だが、久しぶりに横山さんとKさん夫妻がおいでになったので、番外編的に出かけることになった。

横山さんもKさんも体調などの問題があって、山歩きはとんとご無沙汰だというので、そんなときには昨今ひんぱんに出かけている薙鎌神社展望台がリハビリ山歩きにぴったりである。

とはいえ、それも展望があってこそ、しかし思い悩むこともない絶好の天気予報で、そのとおり、大泉では氷点下となった朝、それだけに冬のような真っ青な空がひろがった。霧ヶ峰に着くと、ここから見える山はすべて見える。しかも数日前の下界の雨が雪だったのだろう、新雪がまぶしいくらいである。

たまたま休みにあたったという鉄人M夫妻から、カボッチョを目指すという連絡があったので、強清水から展望台に着いたところで電話をしたら、ちょうどカボッチョの斜面にかかったところだという。Kさんの倍率の高い双眼鏡を借りてカボッチョの斜面を見ると、なるほどふたつの点が動いていた。エベレストに消えるマロリーとアーヴィンである。

誰もいない薙鎌神社で大展望を楽しみながらたっぷりと昼休みをした。画家のKさんはその間に一枚を描き上げていた。

多少は自分にとっても新味を加えようと、グライダー場の南側の道で戻ることにしたが、この道がよかった。展望もさることながら、きっと陸上選手が練習に使うのだろう、木材チップが敷き詰められて実に膝が楽である。そこを歩く人が昨日はまったくいなかったのだからなんとも贅沢なことだった。

車で帰る道すがら、池のくるみで、ちょうどカボッチョから下ってきた鉄人Mさん夫妻とも出会え、しばしの歓談、めでたし、めでたしとなった。

新和田峠を探る(霧ヶ峰)

先週に引き続き、今週も木曜日は本業があるので、山行は月曜日に変更したら、幸いにもおとみ山とたわらさんが手を挙げてくれた。さてどこへ行こうかな、と毎度ぎりぎりの思案である。

頭に残っていた懸案のひとつに、一昨年の初秋に悪天で初志貫徹しなかった新和田峠探訪があった(当日の記録)。

「先々週、和田峠えをして、その峠に「古峠」の別称があることを知った。古峠があるなら新峠もあるはずとネットで調べると、明治の初めから昭和の初めまで、50余年に渡って越えられていた峠があって、今の和田トンネルの真上だったらしい」とそこに書いた。

ここに行くだけなら簡単なことだが、うまく山歩きをからめてとなると工夫がいる。ま、事情もあって余計な説明ははぶくが、地形図を眺める趣味があれば、容易にルートが浮かぶだろう。

考えたルート設定では、20分くらいとはいえ、ビーナスラインの舗装路を歩くことになる。調べたら八島湿原以西の冬季通行止解除が18日で、昨日は車が通れない最後の日である。どうせなら車にわずらわされずに歩くにこしたことはない。よし、和田峠だと決まった。

帰ってからいろいろと調べると、奇特な人があって和田トンネルについてまとめてくれていた。(参考リンク)


要するに、昭和8年に完成した和田トンネルは、冬においても重要な交通路だった和田峠の車道を雪から護る目的だったとわかる。

実際、昨日はトンネルの上の旧道を歩いて、道の両側はおそらく人工的に造られた切通しの急な斜面で、今では崩れた岩くずで埋められていた。当然そこは雪の吹き溜まりになったことだろう。

半世紀もの間、多くの人が往来した新和田峠あたりは、その長年の岩くずに埋もれ、痕跡を示すものは何もない。旧和田峠には今でも多くの人が訪れるだろうが、この新峠を見に行く人は、車を降りて5分もかからないが、まずいないだろう。つまり知る人がいないからである。

新和田トンネルが無料化され、ビーナスラインも通行止とあっては、和田峠の国道を行きかう車もほとんどいなかった。岩くずの積もった静かな峠道で昼休みとした。

行きがけには、かねて看板だけは見ていたが、立ち寄ったことのなかった水戸浪士の墓を見学したり、山の最後は中山道をたどったり、なかなか面白い歴史散歩になった。車はおろか、人っ子一人いないビーナスラインを歩くのも得難い体験だった。
三峰山(霧ヶ峰・和田)

冷たい大雨の翌日、おそらく春には珍しい透き通った空になるだろう。この好機を生かさなければと思案した。なにしろ、わざわざ遠路をおいでの方々ばかり、名古屋のやまんばさんは先週に引き続き連続で、神戸のNさん、そしてNさんの娘さんは、なんとロサンゼルスから久しぶりに帰国しての初参加なのである。

予想どおりの、まるで冬の朝のような空になった。高い山山は新雪で白くなっている。行先は、先週全通したばかりのビーナスラインを使っての三峰山と決まった。諸事情を勘案し、これまでとはちょっと違った行程とする。

そして大当たりの三峰山日和、四囲の山々はくっきりすっきり、雲に隠れていたのは、とおく北アルプス北部のみであった。

このあたりまで来ると、近い北アルプスに目が行きがちだけれど、よくよく見るとこの方角からの南アルプスの並びの良さは相当なもので、白峰四山とも言いたい、それぞれの個性がある。

ときおり吹く風も肌に心地よい。静かな頂上で豪華な眺めをひとしきり楽しんだ。
虚空蔵山(臼田)

久しぶりの横山さんご来館に合わせて集まったのは、いずれも山の猛者で、コロナのせいでずいぶんとご無沙汰していた方ばかりであった。そのお互いがほとんど初対面だったというのだから面白い。横山さんの人脈の広さがあってこその集まりとなった。南川さん打田さん、そして天野さんである。(それぞれの著書にリンクを張ってある)。

これらの面々が昨夜は横山さんを囲んで、字面通りの四方山話で更けていった。それを横で聴ける私は役得というものである。

明けて快晴になった。皆さんは、打田さんが横山さんと行こうと用意してあった佐久の虚空蔵山に行くというので、我々の木曜山行も、こんな機会が滅多にあることではないから、それに便乗させてもらうことにした。佐久の山々もかなり歩いたが、虚空蔵山とは初耳だったこともある。

千曲川沿いに沿った山々の肌は今しも新緑の盛りで実にみずみずしい。佐久南インターからほど近い虚空蔵山は、登山道沿いに数十体もの石仏がおわす、私好みの山で、立派な展望台まで頂上にあるのだから、地元では知られた山らしい。

遠く、鹿島槍から北に連なる北アルプスは少々薄かったが、浅間連山はすべて、そして荒船山など上信国境の山々が一望だった。さわやかな五月晴れで気分は上々である。小さい山だから昼前には下って、龍岡城へ移動し、これも実に美しいカエデの木陰でのんびりと昼のひとときを過ごした。

虚空蔵山は、コースの取り方で、もっと長い時間も楽しめそうである。

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