20.吾妻の山々・2
  1987(昭和62)年5月9~11日

この時は、秩父の柿原謙一さんがご一緒だった。吾妻小舎に2泊し、初日は東吾妻山、2日目には一切経山に登ったのち、3日目日は微温(ぬるゆ)温泉におり汗を流した。

小舎の遠藤守雄さんが「今年は雪が少ない」というように、例年ではこの時期、雪がべっとりの東吾妻山でも雪がなくて薮漕ぎのところもあったし、一切経山の上も夏と変わりなかった。

こう、雪がないと、柿原さんご自慢のプラスチックブーツも「鶏に牛刀」そのものであり、とても歩きにくそうだった。柿原さんについては本欄「その2 秩父御岳山」を参照のこと。



上 一切経山は山頂まで、あと30分足らずのところだが、例年だと、この辺は雪一面のはずだ。

中 一切経山の上から見下ろす五色沼。「吾妻の瞳」ともいわれ、1日に何度か色を変えるといわれている。

下 微温湯温泉。名の通りの30度あるかないかの微温い湯で、柿原さんは「入ってはいられない」と早々に飛びだしてしまった。戊辰戦争の折、官軍に賊軍の巣窟になるからと焼かれたあと、明治5(1872)年の再建という。茅葺3階建ての「秘湯」というのにふさわしいたたずまいで、それぞれの季節には周辺のサクラやシャクナゲの花が美しい。吾妻小舎の遠藤雅子さんの実家二階堂家が経営している。 

(2014.7)

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