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     境沢ノ頭・三角コンバ 2012.10.11



富士山のような独立峰ならいざしらず、連嶺の凹凸にいちいち名前を当てはめたのはそんなに昔のことではなくて、その頂上を踏むことを目的とする遊び、要するに近代登山が始まってからだと思う。

立派な山容に名前がなく、すぐ隣の貧相な山に名前があるということなどいくらでもあって、この日川尾根にもいくつかの例が見られる。

山梨百名山に選ばれて以来、登山者の増えた源次郎岳は日川主稜からわずか西にはずれた尾根上のコブにすぎないが、その尾根が派生する、日川尾根の高まりのほうがどう見ても立派だが名前はない。

この日の木曜山行で最初に登ったピークには冗談めかして「錯覚コンバ」と名付けたと報告に書いたのは無名だったからで、これもすぐ南の境沢ノ頭より立派なのは地形図を見ただけでわかる。さらには古部山よりはその北の三角点峰のほうが立派。

まあ、まったく理由もなく付けられた名前はなくて、地名やら文献やらを参考にしてのことであろうが、やはり最初に言った者勝ちというところはあろうかと思われる。「境沢ノ頭」は小林経雄氏が『甲斐の山山』(新ハイキング社)で仮称として扱っているから、小林氏の命名かと思われる。すでにそれが流通しているらしく、誰かが山名標を設置してあった。

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