右の小さい画像にマウスを置くとメインの画像と入れ替わります   

         帯那山〜八幡山 2007.1.11



雪をかぶった高山を眺めながら中低山を歩くのは冬の楽しみだが、その楽しみが横溢しているのがなんといっても甲斐の国の、しかも甲府盆地を巡る山々である。これは日本の他のどの県にもない美点であることは、地理と気象条件を考えるとおのずと導き出される結論なのである。

アヤメの時季には、すぐ下まで車が入ることもあって、歩くのは馬鹿馬鹿しく感じられる帯那山だが、逆にそんなふうだから登山道はいつも静かで、歩く価値がある。車の入らない冬となればさらに人影はまばらである。その帯那山にまず登って、そこから東に長く延びる薮尾根を八幡山を経て天狗山まで歩こうというのがこの日の計画だった。

帯那山から天狗山へと延びる稜線にあっては、なんといっても八幡山が特徴のある山容を持つ。中央線の山梨市あたりから勝沼にかけて、周りに有名な山々がありすぎるから注目はされにくいが、その右にかしいだ大きな台形は、一度覚えておくといつでも見出せるようになるだろう。

最高の天気に恵まれた一日だった。帯那山からは富士や南アルプスの眺めをほしいままにし、八幡山の尾根からは雪の金峰山を仰いだ。怪しい踏跡を追って、八幡山東の桜峠へようやくたどりついたときには時間切れとなり、天狗山は宿題となった。

桜峠から南に沢沿いについていたはずの道はほとんど廃れていたが、この日同行した横山さんが私のサイトに書いてくれた記録を読むと、80年頃にはごく普通に往来があったようだ(参照)。山の斜面にはいつのもともしれない石垣が多数残っていて、かつては桑畑が段々に稜線近くまであったのだろうと思われた。

(2015.2) 木曜山行報告へ   

戻る