三峰山(和田

「夏が来れば想い出す・・・」という尾瀬の歌があるが、私が夏に思い出して訪れたくなるのは三峰山の緑なす柔らかい斜面である。これまでの経験上、全山を覆った笹原の色が最高の緑になるのはおそらく7月中旬から8月中旬のひと月くらいではないかと思う。

その期間でもちょうど真ん中にあたる昨日、三峰山周辺は言うに及ばず、そこへ至る霧ヶ峰も最高潮の夏の色であった。

4月の小川村行以来となったすがぬまさんと大泉を出発、猛暑の名古屋を脱出してきたNさんと諏訪で合流、一気に高原へと駆け上がった。池のくるみの高台で、まずはいつもどおり車を降りて霧ヶ峰の空気に触れた。

真夏といえども、ニッコウキスゲの終わった高原はそれほどの人出ではなく、三峰山北方稜線では、たったひとりとすれ違っただけであった。

直射日光は肌をジリジリと肌をやくが、終始吹いていた風に冷やされた。頂上は日陰がないからと、ちょっと手前の木陰で昼休みにしようと一歩入れば、霧ヶ峰エアコンがスイッチオンである。

頂上に着くと、それまでは雲の中だった槍穂の峰々が姿を現していた。すがぬまさんが一幅描いている間には、立山や鹿島槍や五龍まで雲間に現れ、ここから見えるべき山々はほぼ指呼することができたのは、夏の午後としては実に上出来であった。

白駒林道~麦草峠(蓼科)

今週も中止かなと思っていたら、ぎりぎりになって長坂のMさんが手を挙げてくれた。でもおそらくひとりだけですよ、と言ったらそれでもよいというので、麦草峠へのふたり旅とあいなった。

夏が耐えられない暑さになって以来、麦草峠近辺で納涼山歩きをいろいろと画策してきた。どうしたって人出の多いところだから、何とかして静かなコースがないものかと地形図とにらめっこすると、まあなんとか行程の半分くらいは誰ひとりに出会うこともないコースがつくれるものである。

下界が40度にもなろうという日では、霧ヶ峰エアコンでは力が弱い。そんなとき麦草峠エアコンに頼るしかない。そして、ちょうどそんな日になった。一刻も早く脱出とメルヘン街道を駆け上がり、車から降りたらもう別天地である。針葉樹の森に入ればさらに涼しい。

自由にさまようはずの森に入ると、去年にはなかった目印がたくさんあって、なにやら作業用の印らしいが、ちょっと興ざめというところ。

夕方には宿泊客が来るので、手っ取り早く切り上げて帰ったのは、せっかくの涼を味わっていたMさんにはちょっとお気の毒だった。

その宿泊客に、今日はどこか行ってきたんですかと問うと、なんと白駒池に行ってきたという。こちらが白駒池を通過したのとちょうど同じくらいの時間にいたとか。

どこにいたんですか。白駒荘の横のベンチで食事をしていました。そういえば、そのベンチにたしかに3人連れが座っていたのを見ていた。

昔からのご常連だから、よく見ればわかっただろうが、気づかなかったのである。そんな面白い偶然もあった昨日の山歩きだった。
小澤根ノ頭(和田)

夏は納涼山歩きというわけで7月に計画した小沢根ノ頭だったが、悪天中止になった。そこで猛暑が続いているであろう8月後半に今一度計画してみることにしたら、案の定というより、想像以上の猛暑が続いていたのだった。

7月にもエントリーしていた東京の鉄人M夫妻が再びエントリー、そして、地元のたわらさんと裏のご隠居さんが加わって、久しぶりのにぎやかな木曜山行になった。

この山に行くのは5年ぶりだった。登山口まで100キロ近くあるし、何も見えないような日なら残念至極だけれども、幸いにも朝方の曇り空も現地に向かうにつれて青空が多くなっていった。

物見石山への道は、かなりの人数が参加するトレラン大会に使われるので、年に一度は刈払いされるらしく歩きやすいが、その刈払いがなければとても歩けないだろう。5年前より笹の丈が高くなっているように感じた。

5年前と明らかに違っていたのは小沢根ノ頭で、頂稜にあったはずの踏跡はほぼ消えていた。まあそれでも、ここは丈の低い笹なのでさほど歩くのに苦労はない。

1800mを越えるという、納涼には申し分ない高さだが、いかんせん風がほとんどなかった。大汗をかいて頂上に着いた。

遠望は今一つとはいうものの、夏としては上出来の展望で、展望至上主義の鉄人Mさんもまずまずは満足だったと思う。しかもこの広大な山が誰一人いない貸切だったのだから。

八方台・苔の森散歩(霧ヶ峰)

9月は木曜山行が一度もないまま終わるかなあと思っていたら、前日の夕方になって裏のご隠居さんから声がかかった。

それでは行きましょうとなったが、計画では八子ヶ峰西側稜線の縦走で、これは数年前にまったく同じ行程でご隠居さんと歩いている。

そこで、前週の計画だった八方台に行くことにした。といってもメインは八方台から東の稜線で、これは北八ッ屈指、というよりは北八ッでもっとも歩きやすい、しかも、もっとも美しい苔の道である。聞けば、ご隠居さんは北八ッは初めてというので、これも好都合であった。

雲が多く遠望はきかない天気で、展望主体の八子ヶ峰よりは苔の道日和になったのは幸いだった。現地への道すがら、茅野あたりの田んぼはすっかり秋の色になっており、ところどころでは稲刈りが終わって「にゅう」が立っている。

まず到着した八方台では八ヶ岳の頂上こそ雲の中だったものの、下界の眺めは広かった。予想外に気温が高く、動いていると汗をかかされたのは、この夏の暑さがまだ残っているのだろう。しかし、2000mの苔の森でひとたび立ち止まるとすぐに背中がスーッとする。

こんどは、極上の苔の森にシャクナゲが咲くころに訪れてみたい。

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