八千穂高原山菜行(蓼科・松原湖

2019年以来ほぼ毎年、この時季に八千穂高原に出かけているのは、山菜を求めてのことだけれども、この標高の新緑がもっとも美しいころだからでもある。仕事用に使うワラビやコゴミを採りたかったので、参加者がいなくてもひとりで出かけるつもりでいたら、たわらさんが手を挙げてくれた。

山菜の摘み頃というのは、その年によって微妙に変わる。これまでの経験上でだいたいの日を選ぶわけだが、もしはずして、収穫がなくとも、山菜摘み用に設定したルートはハイキングコースとしても第一級で、歩いてつまらなかったということはまったくない。まだ瑞々しいミズナラの緑、ダケカンバは今しも新緑で、その中におそいミツバツツジが咲いている。例の白樺林では、はやくもレンゲツツジの花もちらほら見られた。

午後からの天気が心配だったので、何度か歩いた、少々短いルートをとった。2年前、生前のおとみ山と歩いたとき、国宝級のワラビとこの掲示板に書いたが、今年もまた国宝級がにょきにょきと出ていた。

こんなとき人間は貪欲になるもので、もう充分だという量を採っても、あまりに上物が目の前にあると、ついまた摘んでしまう。まだ登る途中なのだから、あまり荷が重くなっても困ると、後ろ髪引かれる思いで畑をあとにした。なにせ、家に帰って測ったら、2.6キロもあったのだ。

一方、コゴミのほうはちょっと遅かった。なかなか難しいものである。それでも、まだ巻いている部分を探して摘んで、1キロほどの収穫があったのだから充分だろう。家に帰ってから食したら、若いときに摘んだのよりエグミが少々強く感じられたが、それも山菜の味のうちである。

八子ヶ峰(蓼科)

この時季の八子ヶ峰の美しさを知り、また、南側からのルートを知って以来、毎年のように通い続けて10年以上になる。

今年もあの色が観たいものだと立てた計画に参加してくれたのは、いずれも最近知り合った方々ばかりで、そのひとりは初参加だったのだから、風前の灯の木曜山行も、わずかばかり再燃したというべきか。

むろん、この時季の八子ヶ峰を歩くのは初めての方々ばかりで、そしてそんな方々には最良の日になった。展望は広大、新緑は言わずもがな、ズミの花は、木によって盛りだったり、五分咲きだったりで、しかし、この花はつぼみが紅いので、五分咲きがまたきれいだったりする。

頂稜に出たら高原歩きの気分は上々、下界は暑くなるとの予報もここではまるで別世界の出来事で、心地よい涼風をあび、このうえなくのんびりと歩いた。

なにしろ、この色を見よというしかない。レンゲツツジはまだ咲き始めだったが、とてもつぼみが多く思えた。あと1週間くらいが見頃ではないだろうか。
三方ヶ峰(車坂峠)

木曜山行で三方ヶ峰に行ったのは、もう13年も前の6月の終わりのことで、おりしもレンゲツツジやコマクサが見事だった。

今年はレンゲツツジの花付きが良さそうだし、近年の傾向から、梅雨ともなれば、おそらく猛暑となっているだろうから、標高2000mまで車で上がれるこの山を前回とほぼ同じ時期に計画したのだった。

ここのところ、午後には雷雨という日が続いていて、昨日も同じく午後からの雨との予報だったが、とにかく初志貫徹と行くことにした。名古屋のNさん、そして東京のOさんが参加してくれることになったが、遠い山なので、今年から交通費実費を頭割りで負担してもらうことにしたのが、二人だけだと割高になって心苦しい。

まずまずの青空だった。向かう浅間連山には夏雲が湧いている。地藏峠まで登れば、湯ノ丸高原はレンゲツツジで朱く染まっているかと思いきや、まったくの緑である。

三方ヶ峰に登っていく途中、また池ノ平付近にはまだ残ってはいたが、ほとんどが終わった花だった。前回と数日しか違わないのに、なかなか花の時季は難しい。

2000m近いといっても湿度が高いし、体調も今一つで、大汗をかいて三方ヶ峰の手前の見晴台の頂上に着いた。すっきりとしてはいないが、下界も、湯ノ丸や烏帽子は見えている。レンゲツツジがないかわりにシャクナゲが目を楽しませてくれた。

我々が見晴台に着いてすぐ、逆側から男性の登山者が登ってきた。「こんにちは」と言ったあと「あれっ変な人がいる」との声。

その声がなんと藪岩魂・打田鍈一さんだったのである。そのすぐ後ろから夫人も登ってきた。夫人の瑠美さんは、北島洋一さんのYOTUBEチャンネル「横山康子の摘草と山菜」のナレーターである。

まあなんと奇遇なこと。こんなことってあるんですね。

あまりの奇遇に空も驚いたのか、ぽつりぽつりと始まった。傘をさして三方ヶ峰あたりのコマクサ群落まで行ったが、これも少々時期が遅かった。

池ノ平の木道を歩くころには豪雨となったが、幸いにも雷は遠かった。あづま屋で休むうちには空が明るくなってきた。予報では15時くらいから雷雨だったが、山ではそれが2時間くらい早くやってきたらしい。

花や天候は今一つだったが、めったにないような邂逅があったのは、この山行を印象深いものにした。

諏訪隠(霧ヶ峰)

双子池ヒュッテに泊まり、北八ッの池畔で納涼するはずだった名古屋のやまんばさんとHさん、連日の雨の予報に早々とキャンセルしたのは、直前だとキャンセル料がかかるからだという。山小屋の商売も難しくなったものである。

ま、行くはずの日が大雨だったのだからキャンセルしてよかったのだったが、行き場を失って転進したのがロッジ山旅だった。そして、金曜日には晴れるというのでどこかへ行きましょうよとの相談がまとまった。それに、なんやかんやで4月以来ご無沙汰だった裏のご隠居さんが加わった。

Hさんは下山後にそのまま帰名するというのだから、おのずと行先は霧ヶ峰となる。今週の月曜日、横浜のY夫妻と行ったばかりで、その日もなかなかの人出だった。連休前ならなおさら人出が多いはずで、そのとおり、月曜日よりさらに車通りは多かった。明日からの三連休、おそらくとんでもない混みようとなるだろう。

それで選んだのが、これもY夫妻と行ったばかりの諏訪隠、しかし今回は逆側から歩いて、わずかながらでもハイキングらしくすることにした。それにしてもこんなところに週に2回も行くなんて人類初の快挙(愚挙)かもしれない。

雨上がりの天気は上々、日差しは強いが風は心地よい。日陰のない諏訪隠でしばし展望を楽しんだあとは、少し戻った木陰で昼休みとした。木陰に入ったとたん、強力な霧ヶ峰エアコンのスイッチオン、「名古屋に帰りたくない」とはHさんの悲痛な叫びでありました。

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