飯綱山(中村好至恵展覧会山行)(高府

2日目の予報は良かったので、小川村の、それも、もっとも高い場所に建つ宿に泊まった甲斐のある展望を期待した。

明るくなったので窓から外を見ると、まだ大半は雲に埋もれていたものの、その隙間に北アルプスの峰々が見えていた。

これはチャンスかもしれないと、宿の裏手の、天文台のある高台に登ってみると、今しも山岳展望SHOWの始まりだったのである。これはすごいとシャッターを切りまくったが、カメラの露出が故障らしくて、半分は白飛びしてしまった。なんとか物になったのが添付の写真である。鹿島槍の耳の間がぐっと狭まって、まさしくネコの耳である。このあと、昼間にかけては雲が多くなってしまったが、このネコの耳だけは雲の上にずっと出ていたのである。

さて、2日目に登るつもりでいたのは、宿の目の前にある飯綱山で、だから、この宿に泊まれたのはとても都合が良かったのである。飯綱山に登ると聞いて、長野市の有名な飯綱山だと思って覚悟している人がいたが、とてもとてもそんな余裕はない。同じ飯綱山でも、こちらは実に可愛らしい小山である。

宿から往復するだけでは工夫がないと、ちょっと下ったところの里道から、だんだんと山に入っていくルートを考えた。ところが、最後の家を見て、鎮守らしい立派な神社(味大豆 十二神社)を横目に山の中の車道を登っていくと、後ろから登ってきたダンプカーの運転手に、この先で道路工事をしていて、人が歩くこともできないと言われ、引き返す羽目になった。

結局、宿に戻って、頂上の神社への参道を登ることになった。これが実に急な舗装路で、相変わらず気温が高いこともあって、短いながらもけっこう絞られた。頂上の稲丘神社は立派な社殿で、地元の信仰がうかがわれた。

まだ昼前だったので、山から下って、天文台の前で眺めを楽しみながら昼食とし、中村さんの展覧会の会場、ふるさとランド小川へと向かった。

観覧後に喫茶していると、あとから到着した数人が、中村さんの小学校からの同級生だった。その中のひとりが、我々の横浜からの同行者と知り合いだったので、それがわかったのである。向こうも、ロッジ山旅と書かれた車が停まっていたので、ハハァーンと思ったらしい。

遠方の人が多いので、小川村の物産館に立ち寄ったのを最後に、一直線に帰った。東京横浜組と別れる小淵沢駅には、あずさの出るわずか5分前に着いて、うまく乗れるかと危ぶまれたが、無事乗ったという報告をもらった。めでたし、めでたし。
天の河原南稜下降(八ヶ岳東部・谷戸)

打田瑠美さんご一行と八ヶ岳横断歩道を歩いた次の日が木曜だった。ご常連の参加はなかったので、ならば何回も歩いたコースでもいいだろう。

私に午後から次のお客さんとの約束があるから遠くには出かけられない。しかし、絶好の天気ならどこかを歩かないわけにはいかない。

そこで、近所の天の河原の稜線を歩くことにした。富士が雪をかぶり、落葉松が金色になったころと思っていたが、今年の天候ではおそらくそんな条件はそろわないだろう。冠雪はひと月遅れだし、黄葉する前に葉が落ちている。

しかし、冬には想像もできなかったことに、一面がススキの原になっていたのは驚きで、これはこれで絶景となっていたのだった。
大室山(鳴沢)

大阪のお客さん方との3日目は木曜山行の日、名古屋のNさんもやってきた。幸いにもまた好天だという。

前日、静岡側での富士山初冠雪が観測された。では白くなった富士を見に行こうかとなった。富士五湖地方の山に行って、富士山が見えないのではつまらないが、まず大丈夫であろう。

紅葉も盛りだろうと考えれば、行先は大室山である。なんたって、あの山は一粒で5度くらいはおいしい。

何度行っても人に出会わなかった大室山だが、今回は、麓で休んでいると、他のパーティに出会った。登山道がなく、登り方は自由だから、バッティングしないように登っていったら、先行していた彼らをいつの間にか追い越してしまったらしい。こちらは毎度の周回コースだったので、おそらく山頂往復だっただろう彼らとは、それ以降一度も出会うことはなかった。

青木ヶ原樹海、色づいた美しい広葉樹、頂上からの展望、オアシスのような火口底、そして野尻草原、大室山のあらゆる要素をたっぷりと楽しんだ1日だった。富士山は言われてみれば白くなっているかなという程度で、これで山梨側の初冠雪となるのかと思ったが、帰ったら初冠雪の報道があって、その意味でも記念になった。
赤い橋~天の河原南稜下降(八ヶ岳東部・谷戸)

裏のご隠居さんが東京の友人を連れてくるというので、では、わざわざ遠くに出かけることもあるまい、我らが近所の絶景を見せてあげようと選んだのは赤い橋から天の河原へのコースだった。

ところが予報に反して五里霧中での出発、それでも歩いているうちには多少は眺めもひらけて、陽が差すこともあった。しかし天の河原南稜防火線での富士まではさすがに現れず、画竜点睛を欠いた。

落葉松の黄葉は濃い、最後の色で、今後一気に初冬になっていくだろうと思われた。

トップページへ 今年の山行計画へ