フシノソリ(瑞牆山・御所平

去年のちょうど今頃、釜ノ沢左岸尾根をたどってフシノソリに至り、甲信県境をまたいで高登谷別荘地へ抜けたことはこの掲示板に書いた。http://www.play21.jp/board/next13.cgi?page=25&id=yamatabi&lognum=9&ptopno=4415

最初の急登は少々苦しいが、途中の伐採地からの展望がすばらしいので、いずれ木曜山行の計画に入れようと思っていたのがちょうどそれから1年後となった。地元勢3人に、東京から鉄人M夫妻とTさんが加わった。そして遠路参加してもらった甲斐のある、四囲の山山がすべて見えるという願ってもないほどの好天になった。しかしその分寒気は厳しかった。風も強かったので、休憩するにも場所を選ぶ必要があった。

首尾よく尾根をつかまえて、最初のピークに登りさえすれば、あとは一般的な登山道といってもいいようなすっきりした尾根道が続いている。大展望が得られる伐採地では、妙なところから現れた我々を上部で作業中の人たちがいぶかしげに見ていた。

林道下の陽だまりで昼休みをしたのち、再び登りにかかる。笹の中にそこそこの踏跡があるが、やがてそれも途絶えて、フシノソリに至る。「フシノソリ」は原全教の『奥秩父』によるが、同じく原の『奥秩父研究』では「フジノソリ」と「シ」が濁っている。この辺りまで登ってくると富士山が見えだすので、その関係でもあるのだろうか。今ではその語源は確かめようがない。

東側はミズナラ主体のすばらしい林だが、どういうわけか南側一帯がカラマツの植林で、10年くらい前にスノーシュー遊びで何度か歩いたときにはそれがまだ幼木だったせいで大展望があった。今ではほぼ眺めを隠している。

フシノソリの北側で県境はクランク状に屈曲し、ここがこのあたりではルートの見極めの難しいところ、雪をかぶった笹原を方向を見定めて下る(添付写真)。高登谷山別荘地への稜線が分かれるところあたりまで下ると、この1年の間にここにも伐採がはいって、すっかり北側の眺めは良くなっていた。去年はここから下ったが、昨日は車回収の都合で信州峠へ抜けることにしていた。

石コツ手前のピークも眺めがいいところだったが、これも木が伸びてしまった。時間が遅くなっていたので石コツは巻く。信州峠まで、踏跡はごく薄いし、むろん道標の類は一切ないから、地形図片手に歩く人には楽しめると思う。信州峠の西側は横尾山への大道が続いているのだから、東側のこちらとはえらい違いである。


中山(長坂上条)

4年前にも中山に登ってから納会という年があった。今年は頂上が伐採され、それまでとはまるで違う中山だからまた登ってみるのもいいだろうと計画に入れた。午後早く帰って来られる軽い山歩きとして最適な山でもある。

伐採とともに道標も整備され、まず誰でも迷わずに歩けるようになった中山だが、そんな一般コースではやはり面白くないと、今回選んだのも4年前とまったく同じルートだった。むろんその時以来で、記憶はほとんど薄れていたが、登っているうちに、ああそうだったと思い出した。径らしい径はないが、山が小さいので知れている。

頂上稜線に近づくと、丘のような盛り上がりがあって、そこには文化年間の御神燈が一基立っている。その近くには柱のなくなった石祠もある。かつてここには神社でもあったのかもしれない。いったい年に何人がこれを見るだろうか。頂上の砦跡といい、江戸時代くらいにはかなり人けのある山だったのだと思う。

風もない好天に恵まれ、頂上では1時間半も過ごした。数人が登って来たのは、この絶景が知られるようになったからであろう。

夕方からはロッジ山旅にて今年の納会をした。今年も雨天以外の中止は一度もなかった。これにて15年間、木曜山行は休みなく続いていることになる。

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