しろつめくさ・あかつめくさ

しろつめくさ(白詰草)、すなわちクローバーは、ヨーロッパ原産で、江戸時代に日本にやってきたらしい。それが各地で自生化した。明治時代には牧草として栽培されたこともあったようだが、いまは道端などに見る野草となっている。

平地では4、5月ごろから花が咲くが、山の麓や高原の涼しいところでは盛夏に花をつけている。

「四つ葉のクローバーを見つけると幸せになる」というが、クローバーは通常三つ葉で、トランプのクラブは、その三つ葉を図案化したものだ。しかし、しろつめくさには葉の数が多くなりやすい性質があるらしく、四つ葉は割合簡単に見つけることができる。今年の春の新聞のコラムに、葉に番号をつけて調べ、30数枚が1本の茎についているのを見つけた人がいると紹介されていた。

食べ方は、葉につく固い茎を捨て、葉だけを生でサラダにまぜる。または茹でて水に放し、しぼって辛子和え、マヨネーズ和え、または炒めものにしてもよい。

オムライスの卵を焼くときに生の葉を数枚散らして飾るというのは、『摘菜がごちそう』(平谷けいこ/山と溪谷社)に載っていた料理法だ。


あかつめくさ(赤詰草)は、むらさきつめくさともいう。これも明治の初めころにヨーロッパから日本に入ってきて、緑肥などに利用されることもあったが、しだいに自生するようになり、いまはしろつめくさ同様に野草となっている。

あかつめくさは、しろつめくさの群落の中に小さい一群として混じっていることが多い。しろつめくさに較べて草丈はかなり高くなるものもある。

しろつめくさも、あかつめくさもマメ科なので、よく見ると、細長い豆の花が集まって毛糸のポンポンのような形になっているのがわかる。

花はほぐして若いものだけを酢水でよく洗い、サラダに混ぜたり、炒めものにするとよいそうだ。