アロエ・はるのげし
 
 
北島洋一さんのYOUTUBEサイト  
 

アロエ(Aloe・オランダ語)の原産地はアフリカで、幾つかの種類がある。よく見かけるのは、きだちアロエだが、十数年前までは東京では屋内か温室に入れなければ冬を越せなかった。

わたしは鉢植えのものをうっかり一晩霜に当てて枯らしてしまった覚えがある。

ところが、地球温暖化の故か、ここ数年はわが家の近くでも南向きの庭に植えられたアロエが人の背丈をはるかに越すほどに育ち、寒中にもあでやかなトーチをかかげたような花を幾つも咲かせているのを見かけるようになった。

アロエの肉厚な葉の中は、半透明の白いゼリー状で、昔から傷や火傷の薬として使われるのは前々から知っていた。

しかし、そんなアロエが食べられると知ったのは、ごく最近のことである。

葉の皮をむき、ゼリーのような中身を薄くそぎ切りにして、刺身のようにわさびじょうゆなどで食べるのだそうだが、わたしはまだ試したことがない。

 
 
はるのげし(春野芥子)は図鑑などによると、冬はロゼット状の葉を地面に低くひろげてしのぎ、春から初夏に茎を高く伸ばして花を咲かせると説明されている。

ところが、冬のさなか、たくましく茎を伸ばして花を咲かせている、はるのげしを近くの善福寺川沿いを散歩していて見つけた。

川がほぼ西から東に流れるその左岸、すなわち人家などで北風が当りにくく、川によって南側が開けたところに点々と何本かのはるのげしが咲いているのだ。

鋭いぎざぎざのある葉はちょっとアザミに似てとげで痛そうだが、さわってみると、とげはなく柔らかい。太い茎は中空で、たやすく折れた。

この柔らかい葉と若い茎を茹でて水にさらし、よく絞って、ごま和えと、芥子じょうゆ和えにしたら、くせがなくおいしく食べられた。