にりんそう・あまどころ

にりんそう(二輪草)は大きな群落をつくっていることが多い。先の5月半ばに山梨中部の山へ登った時も、沢沿いの土手に咲き始めた、にりんそうの花を同行の友人が見つけた。 

3裂した葉の輪生した中心から、たいていは2本の茎を伸ばしてその先に1輪ずつの白い5弁花が咲くので、その花を確かめれば、まず間違いはない。しかし、花芽が出る前は、猛毒のトリカブトの若葉と似ているし、しかも同じような場所に生えるので、充分な注意が必要だ。

蕾がつくようになってから、花や蕾をよく見分けて葉と一緒に摘めば安心だ。

群生のなかから間引くように摘むとよい。

蕾、花、葉を一緒に茹でて水にさらした後、浸しもの、和えものにして食べる。


あまどころ(甘野老)は、梅雨のころに、幅広い草尾根などで群生していることが多い。

40cmほどにもなる茎を斜め弓なりに伸ばして、楕円形の多くの葉を上向きに背中合わせのようにつけている。それぞれの葉のつけ根から緑を帯びた白色の長い鐘状の花を1、2個ずつ下げ連ねている。

食用にするには、葉の開く前、葉が巻いた状態でまっすぐ伸びはじめたころに、根元の白いところから折り採るのがよい。

茹でて、マヨネーズや酢味噌などで味わうと、独特の甘味や口ざわりが活きておいしい。

10年ほど前に阿武隈の口太山の麓で見つけたあまどころは、太く柔らかくて味も絶品だった。

あまどころの近い仲間に、オオナルコユリ、ナルコユリがあり、同じように食べられる。