はるじおん・おおばこ
 
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はるじおん(春紫苑)は「はるしおん」が正しいという人もある。都会の街中から郊外の山すそまでの、どこにでも見かける草なので、貧乏草などと呼ぶ土地もあるようだ。

はるじおんの蕾はうなだれているが、開いた花は直立する。花弁はうすいピンク色のものが多いが、白い花もある。花茎につく葉は茎を抱くような形になる。

食べるには、地面に丸くひろがった葉の中心から花茎が伸びきらないうちがよい。葉の柔らかそうなものを採ってきて、茹でて水にさらし、刻んで和えものにする。ごまみそ、山椒みそなどのほか、くるみやピーナッツ和えもおいしい。かなりコクのある葉なので、和えごろもはやや濃厚なほうが、葉の毛羽立ちも気にならない。

 
 
おおばこ(大葉子、車前草)も、どこにでも生えている草の最たるもの。市街地から山の上まで人の通る道端なら必ず見つけることができるほどの、ありふれた草だ。

おおばこは踏みつけられて育つ草だという。よく踏まれる所ではほかの草が育ちにくいので、そこに勢力圏を築くのだそうだ。そのうえ種子はゼリー状の粘着物を持っていて、靴の底や車のタイヤにくっ付いて色々な場所へひろがって行くのだという。そして、よい場所に育ったものは、名のとおり、びっくりするぐらい大きな葉をつける。

6月頃、奥秩父の笠取小屋周辺で、そんな大きなおおばこをたくさん見た覚えがある。

おおばこは、きずのない柔らかそうな葉を選んで採り、茹でて冷水でさらし、炒めもの、煮もの、和えものにする。