45.ゼブラ山、八島湿原  2016(平成28)年4月20日

本欄「たわらかずお山歩き写真集」の2014の項に「7.桟敷山、小桟敷山 2014.7.14」が、つい先日に載ったが、その中に長沢さんが「深田澤二さんの思い出」という一項 のほかに写真を何枚か載せている。その写真を見たとき、私は涙が出そうになった。澤二さんは私の大好きな友人だった。彼がまだ小学生の頃から知っていたし、長じては、山へも一緒に行くようになった。ロッジへ泊まっての山もあるし、彼の云う「お召し列車」に乗っての藤野、上野原辺の低山歩きにもよく同行した。その澤二さんが昨年の年明け早々、僅か二日ほど病んだけの急逝とは、まさに晴天の霹靂そのものであった。澤二さんは、私よりも25歳の年下だったが、70歳になったかならずの若さで亡くなってしまった。悲しいとか、淋しいとか、さらには悔しいとしかいいようがない。

澤二さんとの山行はみな鮮明に記憶に残っているが、その中でも、このゼブラ山と八島湿原を歩いた日のことが、「あの時は4月にしては稀有な遠望に恵まれて」と、いっそう懐かしく思い出されてくる。「澤二さん、長沢さん、楽しい山歩きでしたね、御岳や乗鞍、北アルプスの山々はまだ真っ白だったし……」。
 
なお、ここに載せる写真はいつもは3枚ときめているが、今回だけは5枚とし、一昨2018年4月16日、「お召し列車」で藤野下車、石楯山‐一本松山‐京塚山と歩いた折の1枚を加えておいた。それは私の最後に写した澤二さんで、みな、澤二さんを想っての写真である。

補記 長年、山と囲碁で澤二さんと親しくしていた小林晃さんが『山の本』2019年秋号/109に「十五年間の交友記」と題した澤二さんとの交友録を綴っている。

(2020.5.21)
 

                                    横山厚夫さんのページトップへ   
 ロッジ山旅トップへ