15. 御春山      2000(平成12)年3月25日

中央沿線近間の山。寺田政晴君同道で、梁川駅ー南米沢峠(なめさわとうげ、仮称)ー御春山(おはんなやま、463b)ー貯水池展望台ー大野貯水池ー四方津駅と歩いた。南米沢峠から御春山を越して貯水池展望台までの間は藪を掻き分けて手ごたえがあり、なかなか楽しかった。ところが、先年(2013年春)、Wお召し列車Wの方々と逆方向から登ってみて驚いた。貯水池展望台から御春山の先まで、あっけらかんとした遊歩道が通じているではないか。御春山の頂上などは丸坊主もいいところ。余計なことをしてくれるとがっかりした。「もう、こんなところ、二度と来る気がしないね」。

なお、ある中央線沿線の山のガイドには、貯水池展望台の眺めとして「眼下に大野貯水池の水面がきらめき、その背後からは、権現山の山脚が眉を圧して迫る」と書いてある。それをこの寺田君と歩いた時、「権現山が眉を圧して迫るなんて、ナンガ・パルバットかK2ならいざ知らず、誇大妄想だね」と大笑いしたのをよく覚えている。

補記

東京駅8時57分発、荻窪9時22分通過の大月行快速電車(平日休日、季節によって多少ずれがある)を、私たちはWお召し列車Wと称し、晩秋から陽春にかけての中央沿線近間の山に行く時には常用している。高尾で乗り換える面倒がないのか一番の利点で、さらに冬の寒い朝でも、このくらいの時間の出発ならばそう苦にはならない。常連の方々も西荻窪、東小金井、立川、八王子、高尾の各駅から、「今日は」とご機嫌よくお乗りになってくる。下車駅からはバスの便が悪ければタクシーを使うも善し。人数がまとまれば料金もたかが知れている。それに500bほどの山ともなれば、どんなにゆっくり登っても勝負は早い。午後もそう遅くならないうちに「今日も楽しかった」と、皆さま、さらにご機嫌麗しくご帰還になさるのが毎度のことだ。おまけに大月発の東京行直通電車がやってくれば、終わりよければ全て善し。       (2018.8)
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