80. 白布山       
        1988(昭和63)年4月5日

下車駅は磐越西線の猪苗代、山があるのは猪苗代湖の北、秋元湖の南岸すぐのところで、標高は1220.6㍍の白布山。道はないだろうから残雪期ならばと、寺田政晴君と登りにいった。まずは駅前のタクシーで秋元湖西端の千貫という集落まで行った。

そこから湖の南岸沿いに実線の車道がつけられているので、それを少したどったあと頃合いを見て山に取り付こうという計画である。秋元湖の水面が736㍍、山との差引きの標高差は500㍍もなく、そうは面倒もあるまいとの目算どおりに3時間もかからずに登ることができた。雪の尾根歩きが楽しく、辺り一面を賞味しつつのゆっくり登山でこの時間なのだから、さっさと歩けば2時間ほどもかかるまい。下りは千貫の集落へ雪上散歩と磐梯山の眺めを楽しみながらの、これも牛歩の歩みだった。

この日は南会津山の会の江花さんが経営する江花荘(猪苗代町字葉山)に泊まった。翌日は朝から雨、「これでは山はやめ」となり、どうせ青春18キップなら遠廻りをして帰ろうとなった。そこで猪苗代から郡山までが磐越西線、郡山からは磐越東線でいわきへでたあとは常磐線の各鈍行に乗って、これもゆるゆるの「ノリテツ」を楽しむこととなった。

(2015.6)

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