66. 浅松山    
       1991(平成3)年4月3日 

「雪がなければアサマツヤマならぬオソマツヤマ」といったのは山田哲郎さんで、2.5万図「追貝」に山名は「浅松山」、標高は1262㍍と記されている山が、それである。

この頃の残雪期、上越線は沼田、後閑、上牧、水上の間で標高は1000㍍を少し超すくらい、それほど険しそうでもなく、かつ雪がつけば面白うな山を捜しだしては、寺田政晴君や山田哲郎さんとよく登りにいっていた。この浅松山もその1つで下車駅は沼田、2.5万図「追貝」を広げて「こんな山もあるが、どんなものだろうか。いってみよう」ということで出かけていった。

なにしろ頂上まで実線の林道があがっているし、また、どういうわけか簡易トイレが林の中から忽然と現れたりする山なのだから、そこそこの雪があって七難を隠していたからよいようなもの。もし、これで雪がなければ、まさに山田さんのいう「オソマツヤマ」そのものだったろう。



上 山頂からは上州武尊山がよく見えていた。この眺めだけは「オソマツ」ではなく、みなが賛辞を呈した。

中 工事場でよく見かけるような簡易トイレがあったのには驚いた。その辺りから見た浅松山で、もう山頂まではわずかの登りだった。

下 山頂で見かけた指導標。「下山道」はともかく、東西南北に加え、そこから見える山の名が一緒くたに記してある指導標なんてはじめてお目にかかった。作った人間の頭を疑う、なんとも「オソマツ」な代物だ。

(2015.4)

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