36. 土岳
     1992(平成4)年2月28日

「土岳は典型的な侵食残丘である。地質の硬い部分が侵食されずに残り、標高599㍍の山になった。…… 山頂は円丘状で、一部に芝生が残っている。昔、馬の放牧場だった名残である。今は登山者が陽の光を浴びて惰眠をむさぼっていたりする。……」(『茨城県の山』山と溪谷社)。

山田哲郎さん、中野英次さん、寺田政晴君と出かけた。山の記録帖を見ると、常磐線高萩駅からタクシーに乗った中戸川の登山口から土岳へ登ったあと、「車道・苑地 遊歩道を歩き吊橋を渡る 鳥曽根 峠 車道 金成(廃村) 送電線をくぐる 千代田バス停・タクシーを呼ぶ 高萩駅」と記してあるが、その辺のいちいちはさっぱり覚えていない。ただ、土岳の頂上は広々と、惰眠はしなかったものの、なかなか気分よいところだったと記憶に残るだけだ。まぁ、この写真を見てください。

ところで、お天気がよければ日帰りでも軽く100枚は写す今のデジカメならいざ知らず、この頃はフィルム代・現像代と馬鹿にならないポジカラーを使っていたので、「こんな里山では」と撮るのをけちしていたのがいけなくて、記憶の助けになるような駒がほとんどない。もっと、駅やバス停、途中の集落、登山道の標識などを写しておけばよかったと後悔している。そんな写真を見れば、もう少しは思いだすこともあるだろう。      

補記 

現在、私の使うデジカメはオリンパスのTG‐625という機種(通信販売で11920円、当ホームページの主人長沢洋氏を煩わし昨年4月に購入。これまでに買ったカメラの中では最安価)。2GBのSDカードで約750枚写せるように按配し、シャツの胸ポケットからさっと取りだしては手当たりしだいならぬ見当りしだいの乱写乱写。大いに満足している。父親ゆずりのベビーパール(昭和10年代、六桜社製ベスト判半裁のスプリングカメラ)に始まって20種ぐらいのカメラを山で使ったが、この先は、このコンパクト・デジカメをずっと使い続けよう、もう浮気はすまいと自分に言い聞かせている。 

(2014.9)

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