裏銀座縦走
  1956(昭和31)年7月14〜20日

北アルプスの槍ヶ岳から烏帽子岳までを裏銀座という由。燕岳から常念岳、槍ヶ岳へ続く尾根を表銀座と称するのに対してだというが、今、こんな名称は通用するのだろうか。いずれにしろこの裏銀座縦走は、なにしろ57年も前の話で、申しわけないことには同行者の名前さえも思いだせない。

奥多摩山岳会の先輩・橋和男さんと行くつもりのところ橋さんの都合が悪くなり、急遽、その友人という人と2人で歩くことになった。私と同年輩、銀座で鉄工所をやっていた人としか記憶がない。好日山荘の1日いくらの貸しテントを持っていったが、雨に降られて槍まであがるのに3泊し、料金がかさむと気が気ではなかった。

なお、停滞中の槍沢では上からおりてくるやはり奥多摩山岳会の本多祐造さんに会ったが、本多さんも、この出会いは、今もよく覚えているとか。天気が悪くて槍の頂上へは登らずじまいだったので、その悔しさと相まって覚えているのだという。

これら3枚の写真、さあて、どの辺だろうか。1週間近くも山を歩いていれば、あれこれあったに違いないが、そのほとんどが忘却の彼方。おりついた葛温泉で旅館にはいるとき、ザックにつけたピッケルの先を玄関の鴨居にぶつけ、オバサンにどやされたくらいしか覚えていない。

(2013.5)                       

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