
寺下峠、巌道峠 |
1975(昭和50)年12月20、21日 |
この頃、中央沿線の低山には、よく通った。夜、望月さんから「君、いま便所の窓から見たら、いい星空だ。明日、山に行こう」と電話があれば、その大方が中央沿線の山になった。
「ついでに川崎君にも連絡してみてくれ」となれば、川崎さんだって「サンデー毎日」の身だから、二つ返事。この時はさらに大森久雄さんも誘って、秋山川ぞいの山を泊りがけで歩く計画になった。
道順は四方津駅を振出しに、大地峠‐矢平山‐寺下峠と歩いて秋山川の谷におり、中野の中央旅館泊(お1人様1泊3000円)。翌日は御牧戸山へ北側から闇雲に登ったのち尾根を東南に歩いて巌道峠。ここで私だけが所用のために安寺沢へ脱兎のごとくにくだって途中車に拾ってもらい藤野駅に出た。あとの連中はどうしたか。家人に聞いても、さっぱり記憶がないという。
上 寺下峠の川崎、大森、望月のお三方。やはり「昔はよかった」の風情ではないだろうか。
中 中央旅館は、まだ、昔の商人宿のたたずまいを残していた。以前は、どこのどの街道筋にも適当な距離をおいて商人宿があり、山歩きの私たちもよく利用したものである。
下 今は車道が越すようになった、かつての巌道峠。一昨年4月、上野原からタクシーに乗ったら峠まで5390円かかった。安寺沢に沿う峠道は延々と長い。ことに車道となれば、歩くなど、もう真っ平ごめんだ。
(2012.10)
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