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           杓子山 2011.4.14



日本人がイメージする富士山とは、およそ4月の富士かと思われる。富士山頂付近の積雪は4月下旬が一番深いという。雪が重くなって風で飛ばないからである。したがって、前景に桜を配した典型的な富士山の絵葉書では、上半身が真っ白な富士である。真冬の富士はかなり地肌が出ている。

そんな、日本人の誰もが思う富士山の姿を眺められたこの日の杓子山だったのは写真をご覧のとおり。向原峠からは初めてだったが、なかなか手ごわい急な稜線だった。下りも初めての西尾根だったが、こちらは下部で径筋があやふやになるものの危険な部分はなかった。

富士吉田市街からは富士山が偉大過ぎ、他の山はその展望台としての意味しかなくて気の毒なことである。しかしどうしてどうして杓子山はどこへ出しても恥ずかしくない山容だと思う。

『山梨県の山』が新しくなるとき、杓子山のルートも新しくしたらどうだろうと思ってこのコースで登ってみたのだが、ちょっと一般的とは思われない。とはいえ、旧来の高座山からのコースのままでもと思って、新しい版では山そのものを倉見山に入れ替えてしまった。

ちょっと残念な気もするが、まあ、いくらでもガイドブックのある山域だから、私のガイドブックになくても誰も困るまい。

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