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           大蔵経寺山 2011.2.10



「大蔵経寺山だけ登っても失望するのがオチだ」と私は自分のガイドブックに書いたが、石和駅近辺に用事があって、時間が余ったときにちょっと登ってくるというのにはちょうどいい山ではある。中央線が甲府盆地に入ってからは、駅から歩いて行ける山はあまりない。

それにしても、わざわざこの山だけを登りに石和駅に降り立つというのも芸のない話で、ここでは長谷寺への新しい径を探ることにしたのであった。あらかじめ長谷寺へ車回収用の自転車を置いておき、大蔵経寺から登った。木曜山行報告にも書いたが、寺から寺へというお遍路登山である。

右三段目の写真が頂上ということになっているが、これほど頂上らしくない頂上もない。どう見たって私の立っている方角にまだ高いところがあるからだが、三角点がある場所が頂上になってしまうという典型のひとつである。権威に弱いお国柄というわけか。

この稜線は自分の好みとしては新緑にこそ歩きたい。たわらさんの最初の写真で、木々が芽吹いた姿を想像してほしい。写真にするには難しかろうが、残雪の白峰三山が空に溶け込むように淡く盆地の彼方に浮かぶ。地面からはむっと土の匂いがする。

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