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             海岸寺山 2009.12.24



毎年最後の木曜山行は、山行後に納会を控えているので近所の軽い山を選ぶのだが、そんな山も数少なくなってきている中、頭に浮かんだのが津金の海岸寺山であった。

海岸寺峠東にある1124mの三角点名が海岸寺なので、一般的にはこの山を海岸寺山と呼ぶが、これは設置した三角点名に近所にある寺の名をあてたにすぎない。この三角点峰と海岸寺峠をへだてて西側に隆起する山こそ海岸寺山とするのがその立地からしてふさわしいと私は考えている。津金の集落あたりから見ると、海岸寺の屋根がこの山の中腹にのぞいている。その山が海岸寺山でなくてなんだろう。

海岸寺峠から登るなら10分で終わってしまい山歩きにはならないが、この山を頂点にした馬蹄形の尾根をぐるっとたどるのなら、軽い薮山歩きとなるのである。

桑原のはずれにある墓地から尾根に入る。山梨県の人里からは仙丈ケ岳はまず見えないか、見えてもほんの一部分だが、このあたりからはそれらしい山容を仙水峠のくぼみに眺められる。墓地の隅には半分に断ち切られた石仏がたくさん置かれていた。このあたり、海岸寺は言うにおよばず、藤岡神社の裏手など、石造物の多いところである。

墓地から緩やかな尾根を北上して海岸寺比志線の車道へ出、海岸寺峠から海岸寺山に登って、その西端の、石祠のある場所で昼食とした。この1年半前に訪れたときにはちゃんと建っていたこの石祠は、どういうわけか倒れていたので修復した。

帰りは南尾根を末端まで下るつもりだったが、ひとつ東側の尾根を下ってしまったのは、この手の山ではご愛嬌というもの。たまたま下りついたのが、海岸寺の石門の場所だったのは、海岸寺山の下山としてはケガの巧妙ともいうべき結末であった。

夕方からの納会には参加者の皆さんが近所の店に席を用意して私たち家族を招待してくださるという。ロッジの近所とはいうものの、それまで入ったことのなかった森の中にある店は、枝越しに南アルプスが眺められる素敵な場所にあった。

貸切の店の雰囲気も料理も申し分なく、すっかり気に入ったので、この後、やはり納会に何度もここを使うことになった。

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