右の小さい画像にマウスを置くとメインの画像と入れ替わります   

        梅ヶ島温泉から八紘嶺 2009.11.12



梅ヶ島温泉にはかつて一度泊まったことがあり、そのときは山伏と八紘嶺に登った。梅ヶ島は山奥といっても標高は低いから、これらを往復するのはなかなかハードな行程である。

その梅ヶ島にまた行こうと思ったのは、複数の知り合いから「くさぎ里」という素敵な山宿があると聞いていて、それなら自分たちも一度泊まってみたいものだと思っていたのと、安倍峠の車道が舗装されてストレスなく越えられるようになったことを知ったからだった。そのうえ奇遇なことに、ロッジの常連のNさんがかつて梅ヶ島の中学校に勤めていて、その宿とも懇意だったのである。そこで、Nさんが直接宿に電話をして予約をしてくれたのだった。

梅ヶ島温泉からだとやはり目標は山伏と八紘嶺ということになる。ところが初日は確実に大雨になるとの予報。そこで1日目に安倍峠から八紘嶺に登るのは中止し、遅い出発とした。予報どおりの大雨だったが昼ごろには小雨になった。道路規制もないというので、安倍峠の道へと入ったが、かたわらを流れる大城川の濁流はただ事ではない。山ではかなりの雨量だと思われた。

そんな矢先、下ってきた車の運転手が窓をあけ、土砂崩れで引き返してきたと教えてくれた。まだ峠の入口付近だったのは幸いだった。すぐさまUターン、しかし、これによって梅ヶ島までは倍の距離となる。

清水でいったん海を見る始末となった。国道1号線を西進し、安倍川に沿って梅ヶ島へ北上する道に入れば、それを延々と今度は50キロ遡らなければならない。

左右の山が次第に迫ってきて、「くさぎ里」に着いたのは4時だった。ロッジを出てから5時間もかかったことになる。現地で合流する予定だった名古屋のNさんと清水のTさんは先着していた。そのうち、今では静岡市内の学校に勤めるNさん夫婦が小学生の娘さんも連れて駆けつけてくれた。同じ県内からといっても往復100キロはある距離である。そのうえ、皆にといって大量の静岡タマゴをお土産に持ってきてくださった。なんともありがたいことだった。

翌日も予報は悪いが、ここまで来て心配していても仕方がない。実に気持ちのよい温泉に浸かり、おいしい食事をいただき、鉄人Mさん差し入れの八海山をぐいぐいと飲んで、夜は更けていった。宿はたまたま他の客がおらず、その点でもくつろぐことができたが、噂にたがわない居心地のよさだった。

--------------------------------------------------------

翌日の予報もさほど良くなかったので、朝起きてびっくり、青空が広がっていた。だが、もう標高差1200mにも達する山伏に登る気は失せていた。問い合わせると静岡側は安倍峠まで通行可能だというので八紘嶺に登ることにした。登るにしたがって霧が出て、結局展望は得られなかったが、他の登山者のいない静かな山ををにぎやかに歩いた。

無事山を下って、再び梅ヶ島へ下って登山の汗を流した。安倍川沿いの紅葉は朝よりも数段すばらしくなっていた。梅ヶ島は紅葉の名所だとは聞いていたがこれほどとは思わなかった。それが最後の写真である。

安倍峠の山梨県側が早くも開通したとの朗報に、現地参加のふたりと入浴後お別れし、再び安倍峠へと向かう。霧が出た薄暮ともなればなおさら気味の悪い峠道である。峠から一気に1000m以上を下って、暗くなる直前に身延の国道へ出ることができた。この道が通れたおかげで、初日の半分の距離で八ヶ岳と帰ってきた。

(2015.6) 木曜山行の報告へ

戻る