右の小さい画像にマウスを置くとメインの画像と入れ替わります   

          金冠山・達磨山 2009.2.12



北杜市の寒い冬を抜け出して、雪の心配などまるでない暖かい地方の山に登ろうと1泊2日の伊豆半島の山旅を計画したのだった。同じ富士山の北側と南側ではこうも違うものか、現地では菜の花と河津桜が満開であった。

宿泊山行ともなれば、気になるのはお天気だが、初日の、眺めこそが身上の山、金冠山と達磨山では最高の天気に恵まれたのは写真でわかるとおり。ほとんど公園といっていいような整備された山道も、他に歩く人はほとんどなく、伊豆半島といえどもやはり真冬はオフシーズンらしい。

見慣れた南アルプスが海越しに見えるのが面白い。写真ではわかりにくいが、富士の左の裾には八ヶ岳も見えていた。1000mの山稜をひとしきり縦走したのち、車で一気に海辺へと険しい山道をひたすらに下る。

翌日の長九郎山に登るための宿泊地は雲見温泉だった。沢山ある民宿から選んだのは出見世という宿で、インターネットでただ値段を見て決めただけだった。ところが、この海辺の宿のご主人が岩登りと冬山に通う登山家だったのだから驚き。部屋に飾ってあるのは山の写真ばかり、私も名前を知っている甲府の上野巌さんとヒマラヤに行ったこともあるのだとか。

シーズンオフの平日とあっては宿も貸切で、魚づくしの夕餉にはご主人も呼んでひとしきり山の話で盛り上がったのである。純粋に山登りのためだけに泊りにきた客は宿始まって以来かもしれないが、それは聞き忘れた。

さて、夕食後は部屋に戻って鉄人Mさん差し入れの、その名もなんだかこの山行にふさわしい八海山の栓が抜かれ、南国の温泉民宿の夜は更けていった。

   --------------------------------------------------------

このとき、せっかく山好きがやっている宿なのだから、そのことを宿のサイトに書いておけば売りになるのではないですかと助言しておいたら、この数年後、山岳会の仲間が伊豆の山に行くというので、どこに泊まるのか聞いたら、なんとこの宿。山好きがやっているとサイトに書いてあったので選んだとかで、やはり効果があったわけだが、その効果が身近な人に現れたとは世間も狭いものであった。

これ以来訪れてはいないが、宿とは年賀状の交換は続いている。

(2015.3)

戻る    木曜山行の報告へ