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森林書房『遊歩百山』9号に書いたものです。その後、源氏山には大柳川からも登りましたが、そちらの方が数段優れていると思います。源氏山が「山梨百名山」に選定されたため、きっと登りやすくなっていることでしょう。このガイドのように歩けば容易に歩ける山ですが、雰囲気は相当山深い感じがします。2005年現在、源氏山への尾根の北側で林道開削中にて、尾根道も随分変わってしまいました。

                                                                 大峠山、源氏山

何と言ったって1700メートルまで車で登ってしまうのだから、あとはせいぜいのんびりやろう。だが、まてよ。櫛形山には、登る予定ではなかったけれども、すぐ近所なのでひとつやっつけちゃうか。と貧乏症を発揮させるのが、マイカーで行く大峠山、源氏山である。タクシーを使った場合は、十谷温泉に下ること必定なので、つまらぬ考えは起こさずにすむ。

丸山林道は池の茶屋林道分岐までは、ほぼ全舗装である。源氏山登山口は、その分岐からわずか奈良田寄りにあるが、なんの標識もないし、車を置くスペースもろくにないので、馬鹿げた公園を作っている池の茶屋跡付近に車を置いて、歩いていったほうがよいだろう。

入口からは尾根の西側につけられた径を南へ南へと歩いていった。あいにくの薄曇りで、当然見えるはずの景色が何も見えない。豊富な水量の水場を過ぎ、巨大なツバメオモトが咲くなかを大峠山への分岐に着いた。

ここからまず大峠山をピストンする。径は少し薄くなるが、大峠山の北から東に回り込んで直登わずかで、三角点のある頂上である。疎林越しに、晴れていればある程度の展望はあるだろうが、今日は何も見えない。滞在わずかで引き返す。

源氏山へは、分岐から一度下ってから、登り返す。かなり大きな伐採小屋の廃屋を過ぎる頃から、この辺り特有の、白い花をつけるヤマイワカガミが多い。ここからわずかの登りで、伐採を逃れ、昼なお暗い原生林に囲まれた源氏山頂上に着いた。写真を撮って、すぐに下る。頂上の登りに入る所が明るく開けていたので、そこで昼食。しばらくのんびりしたあと、往路を戻った。

1993年6月18日

国道52号(20キロ弱)登山口(25分)水場(35分)大峠山分岐(大峠山往復40分)分岐(30分)源氏山(1時間25分)登山口

二万五千分の一地形図=奈良田、鰍沢

アドバイス

晴れていれば、富士や南アルプスの眺められる楽しいハイキング。また、帰りは奈良田へでも寄って、ひと風呂浴びて、白旗史朗山岳写真館でも見たいものだが、丸山林道はこの先は悪路。ジープタイプの車でもない限りやめたほうが無難。十谷温泉に下る場合は、源氏山直下の廃屋のある所が分岐になっている。行程約3時間半。

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