夕日アタリ(御所平)

今回の木曜山行は黒打ノ頭であったが、珍しく地元に雪らしい雪があるし、おそらく今季はこれが最後になるだろうしで、スノーシュー遊びに変更することにした。それを書いた掲示板を見て、去年の蛾ヶ岳以来のWさんと、その友人Iさんがこれは初参加することになった。スノーシューには乙女心をそそるものがあるらしい。

さてそのフィールドだが、これは5年ぶりとなる、高登谷高原南の甲信国境稜線を選んだ。一応目的地は「夕日アタリ」だが、この行程での最高点は石コツである。もっとも石コツはスノーシューでは面倒だから巻くことにしたので、その手前の1605mピークが昨日の最高点であった。

無風快晴、絶好のスノーシュー日和であった。国境稜線まではまったくのバージンスノーだったが、稜線には踏跡があった。家に帰ってからインターネットを見ると、数日前に歩いた報告があったので、今はこんなことまですぐにわかってしまうのだなあとびっくり。この人は信州峠からフシノソリを往復したという。http://gun-mtido.sakura.ne.jp/yuhiatari.html

たどり着いた1605mピークは眺めのよいところだったが、それは相変わらず、八ヶ岳もさることながら横尾山がどっしりと立派なのが、日ごろ、のっぺりした姿の横尾山しか見ていない目には新鮮である。

しかしその直下の斜面には変化があって、あらたに落葉松が植えられ、周囲は鹿柵が張り巡らされていた。その鹿柵に沿って少しくだり、石コツを巻いてまた稜線に戻った。

夕日アタリの手前のピークで昼休み。無風で暖かく、いつまでも休んでいたい平和な雪上でたっぷり1時間を過ごした。

夕日アタリは三角点があるだけの眺めのないピークだが、北麓から見るとなかなかきれいな三角形をしている。北麓住民がその頂点に夕日があたるのを時間の目安にしたことが山名の由来になっているのだろう。

ここからの北尾根の下りがスノーシューの醍醐味が味わえると思ってのコース設定だったが、途中、地図にない林道に少々邪魔されたものの、雪を蹴散らして一気に麓に下ることができた。無雪期ならこうはいかないだろう。

山中に鹿柵が巡らされているのが最近私がこの山域に行かない理由で、山から出るに出られなくなることがあるからだが、その出口もうまい具合に見つかって終りよければすべて良しの幕切れとなった。

光城山〜長峰山(豊科・明科)

今週の木曜山行は陣馬形山の予定だったが、長野全県が好天の予報に、それなら安曇野に北アルプスを眺めに行こうと考えが変わった。北アルプス展望となると、この時期気軽に登れるのは光城山と長峰山である。

これまで2度木曜山行でも歩いており、勝手知ったる山である。その2度とも今回とほとんど同じ時期で、たまには他の季節にと思わないではないが、桜の頃にはいくらきれいでも人ごみの中を登るのはごめんだし、頂上に通じる車道が通行できる季節も敬遠したいで、どうしてもこの時期になってしまう。

光城山への桜並木の尾根は冬はアイゼンが必要だが、今回はほとんど雪はなかった。わりと多くの人とすれ違うのは、毎日のように登っている地元の人がいるからだろう。

好天ではあるが北アルプスが少しぼんやりしているのは春らしい。気温も上がってのんびりした気分である。長峰山への車道歩きも行き交う車がなければしごくのんびりとしたものだ。途中、稜線をたどって少々変化をつけた。稜線の東側には廃村があって、尾根沿いには古い墓がいくつも残っていた。

長峰山ではなにやら工事の真っ最中であった。展望台を建て直すらしいが、どうもそれ以外にも建設するようだ。重機がたくさん上がっていたが、この機会に、山頂を台無しにしている意味不明のモニュメントを撤去してほしいものだ。

白かった空が少々青くなって、北アルプスもはっきりしてきた。それを眺めながらゆっくりと昼休みをした。常念岳の展望台としてこれ以上の山頂はないだろう。

一般道を長峰荘へ下ると駐車場へは遠回りになるので、途中から藪尾根を下ったが、これがなかなか快適に下れる尾根で、駐車場まで舗装路歩きをせずにすんだ。

お坊山(笹子)

急速に天気が回復するだろうとの予報に予定どおり実施することにした木曜山行だった。今回は、ほかの企画山行ではご一緒したこがあるものの、木曜山行としては初めてペンション風路ご夫妻が参加、ならば頂上に着く昼ごろにはスカッと晴れ渡ってほしいものだったが・・・。

昨日は大鹿峠へまず登り、お坊山を経て南東尾根を下って棚洞の下から出発点に戻って周遊することにした。そこに下りつく予定にしている、棚洞東の稜線へと続く径の入口にはかつて「大鹿峠」と書かれた大月市の道標が置かれていたが、これはまったく意味不明で、次に登ったときにはそれをマジックで消して「お坊山」と誰かによって書かれていた。これで理屈は合う。しかし今回は道標そのものがなくなっていたのである。

大鹿峠へは荒れた沢沿いを登った記憶があったが、今では、地形図にある鉄塔巡視路とおぼしき径が再整備されたとみえ、延伸中の林道の途中に立派な導入路ができていた。これを歩くのは初めてだったが、実に雰囲気のいい径で、登るともなく登って大鹿峠へたどり着いた。

北斜面を登る、ここからお坊山の間だけはアイゼンがいるかもしれないなと考えていたが、案の定半分くらい登ったところから落ち葉の下が凍っていることが多くなった。念のためアイゼンをはいて登っていく。しかし稜線まではいくらでもなかった。

アイゼンをはいた頃からあたりに霧氷が現れたのが、稜線に出てからお坊山西峰への間で圧巻となった。予報とは裏腹にいっこうに日が射しそうにもないが、そのおかげで霧氷が楽しめたわけである。

お坊山東峰で昼休みとした。晴れるどころか霧は濃くなるばかり、暖かければ1時間くらいはのんびりしたいところだが、早々に出発することにした。ここから棚洞へは、かつて林内作業車を通した幅広い道が残っていて、少々迂回はするものの、のんびりと下るには絶好だったが、さすがにそれも長く堆積した落ち葉によってか細くわかりづらくなっている。それにしてもこのあたりの林の雰囲気の良さは特筆に価する。

棚洞の下で出発点に戻る径があるはずで、それを見落とすはずはないとあらかじめ以前の記録を確かめてこなかったのが失敗で、ここだと思った踏跡をすこし探ったが、今ひとつ自信がないまま、もう少し下ってみようと下り、やはりさっきのがそうだったと思ったときにはもう登り返す気もなくなって、そのまま桜公園へと下ってしまうことにした。入口の道標が撤去されれば、それを登ってくる人はまずないわけで、径形も薄れていたのだろう。

そのかわり桜公園への径は、かつては最後の最後で踏跡が不明になって強引に下ったものだが、これはかなりはっきりしてきていた。もっとも急転直下であることに変わりはない。何が午後から晴れるものか、いつのまにか雪が舞っていた。最後まで天気は回復しなかったが、霧氷といい雪といい寒さといい、おそらく最後の冬を楽しんだお坊山だった。

鳥坂峠〜黒打ノ頭 (河口湖西部)

2月最終週に計画していた黒打ノ頭は、地元では滅多にない多雪だったことでスノーシュー遊びに変更した。鳥坂峠からの縦走がわりと長いので雪があったら厄介なことと、自転車で車の回収をするつもりだったので、車道が凍結でもしていたらこれも厄介なことがその理由でもあった。

今週は大室山の予定だったが、諸事勘案して黒打ノ頭に変更した。冬はとにかく積雪の具合でまったく予定が変わってしまう。この冬はこれで4回目の予定変更であった。

暖かい日が続いていたが、久しぶりに冷え込んだ朝だった。おかげでとにかく山々は真冬のようにくっきりと見える。しかし白峰三山がべったりと白いのはやはり春らしい。

甲府盆地では桜がちらほら咲いており、スモモにはすでに満開の木もあったが、さすがに鳥坂峠まで登るとキブシやダンコウバイがやっと咲いているばかりだった。

スカッと開けた展望こそないが、とにかく樹林の美しい稜線である。県内屈指といってもよかろうと思う。新緑の頃の美しさが想像された。しかしなかなかの長丁場の上にひんぱんに登降を繰り返す。

一応名前のあるピークということで目的の山を黒打ノ頭とした。その頂上にある三角点名の「神座山」をそのまま山名標示とした地元自治体の看板によって山名が混迷してしまった山だが、当然こんな特徴に欠けるピークが神座山であるはずはない。

その黒打ノ頭で少しおそい昼休みとなった。私の誕生日の前祝いとかでTさんがケーキを造ってきてくださったり、山歩大介さんがドリップコーヒーをたててくださったりした。あらためて御礼申し上げます。

当初は余裕があれば釈迦ヶ岳へもという声をあったが、黒打ノ頭から本日の最高点の登りを終え、次の鞍部にある芦川への分岐まで来ると、予想通り、次の機会にしましょうとなった。縦走はとにかく疲れます。

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