中央道から登る山

かねて計画していたガイドブックの見本がやっと届いた。題して『中央道から登る山』である。なんとか年度初めには出したかったが間に合わなかった。

私自身もそうだが、今はマイカーを利用して登山する人が多くなっている。車の値段が相対的に安くなったことと、車道の山奥に至るまでの整備がその理由だが、それによって鉄道やバスの地方路線が廃されたり、あっても山登りには不適なダイヤとなってしまったことも、マイカーでなければ容易に達し得ない山を多くしたのである。時代の流れというしかない。

マイカー登山でもっとも世話になるのは高速道路である。私にとっては中央道がそれにあたる。ならばその高速道路のインターチェンジから至近の山はないだろうかと考えたのがこの本の企画の発端だった。鉄道の駅から登れる山といったガイドブックがあるが、そのマイカー版といったらいいだろうか。

類似のガイドブックは今までにもあったが、この本の特徴は、インターチェンジから登山口までが走行10キロ以内ですむ山に限ったところである。どんな有名山でもそれからはずれる山ははずした。逆に、無名の山でも近いところは入れた。マイカー登山にとってもっとも重要なのは駐車場である。これに関しては徹底的に解説した。

また、昨今はパーキングエリアやサービスエリアから外に出られるところが多いので、それらから直接歩いていける山を入れた。これはちょっと新しい考え方だと思っている。もっとも、あまりにそんな登山者が増えると、高速道路会社からクレームがつくかもしれない。

今回は相模湖ICから韮崎ICまで。いずれその先ができればいいと思っている。なんとか値段を1000円に抑えたかったので、貧相な装丁になってしまった。本は中身かもしれないが、やはり衣装はいいにこしたことはない。届いた見本を見てちょっとがっかりしたところである。