水ヶ森(茅ヶ岳)

西側から弓張峠へ至る道をたどって水ヶ森に登り、北峰へ移って、そこから西へ延びる尾根を下った。東京からのM婦人は、すでに80代だというが、元気に踏破されたのはあっぱれであった。水ヶ森北峰の西尾根は、危惧していたほどの藪もなく、実に美しい新緑の盛りをのんびりと下ることができた。途中からは灌木がきれいに刈られた防火帯となり、まるで公園の芝生を歩くような雰囲気の尾根が延々と続いた。尾根の突端から下るのに少々苦労した。
十枚山 (南部、篠井山)

林道剣抜大洞線の悪路を、標高700mの十枚山登山口に車で達するころには、かなり奥山に来た思いがする。杉檜の尾根は単調だが、径のつけ方がうまく、あまり疲れないままに標高をかせぐ。やがて自然林の尾根となり、白花のイワカガミの群落を見るあたりから尾根を離れ、十枚峠へと山腹をゆく。峠から一投足で明るい十枚山の頂上である。あいにくはかばかしい展望は得られなかったが、昼食をとるうちには、静岡側の谷筋も見えるようになった。
烏帽子岳(伊那大島)

小八郎岳頂上からは、あいにく南アルプスも目指す烏帽子岳も雲の中だった。セキナギと呼ばれるガレ場の淵からやせ尾根の急登になる。頂上手前の烏帽子岩によじ登ると一気に下界の眺めが開けた。いかにも登ったなあと思える、実に爽快な眺めである。頂上からは中央アルプス南部の山々が目の前だが、最初は雲に隠れていた。ところが、ゆっくりと昼食をとるうちには、だんだん雲が上がって、そのほとんどが姿を現した。
竜喰山(雁坂峠)

三ノ瀬の民宿しゃくなげ荘に車を置いて出発。七つ石尾根を登る。実に歩きやすい径で、足元に気をつかうこともなく、いつしか高さを稼いで、牛王院平に着いた。奥秩父には珍しい山上の平地である。将監峠からは、かぼそい踏跡の尾根径を登る。稜線からは、遠望こそきかないものの、水源林の山々の多くを見渡すことができた。雷雨の予報も杞憂に終わり、帰り着いたしゃくなげ荘では、数々の山菜料理のもてなしを受けた。
五郎山(居倉)

展望はあきらめるしかないな、雨に降られないだけましだったと、何も見えない頂上で昼食をとるうち、突然関東平野方向に青空が出て、まず両神山が姿を現した。それからだった。あれよあれよと四囲の展望が開け始めた。頂上で幕が上がるなんて、なんという心憎い演出だろう。次から次へと山が顔を出すのを興奮気味にいちいち指摘しながら、ついに甲武信岳が三宝山の右肩にちょこんととがった頂上を見せるまで、1時間あまりも過ごしてしまった。
赤顔山(御所平)

中ア三ノ沢岳の予定だったが、はっきりとしない天候に、行き先を急きょ変更した。ヴィラージュゴルフ場を起点に、赤顔山からテレビ塔のある1535.5m峰まで約5つの無名のピークを踏む縦走である。この山域の特徴で、何度も岩場に突き当たる。そのたびに、巧みに岩場を避けるようにつけられたケモノ道に随分助けられた、というより、ほとんど全行程ケモノ道を歩いたのであった。山勘を試される面白い山行であった。
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