独鈷山(武石)

南側から御屋敷沢沿いに登る。沢が伏流になると傾斜が強まり、稜線に出るまで嫌というほどの急登である。稜線に出るとほんの数分で頂上だった。北アルプスは雲の中だが、のどかに広がる塩田平の向こうには四阿山から浅間山にかけてうっすらと眺められた。福寿草が咲いているという西前山へと岩稜を下る。下りきった沢筋になるほど見事な群落をつくっていた。独鈷山を振り返りながら、前山寺まで歩いた。

信州峠から飯盛山へ (瑞牆山、他)

前日の雪が高原野菜畑にうっすらと積もり、まるでこれから冬になるような朝だった。冷え込みも厳しい。横尾山の東の肩に出るころには日ざしも出て、風もやんだ。寒さの厳しい分すっきりとした展望に、はやくも大休止を決めこむ。四囲の眺めの中に、今日のゴール、飯盛山が遥かに見える。得がたい好天に恵まれて、この縦走路から得られる眺めをすべてほしいままにした。山中9時間、誰ひとりに会うこともなかったのはなんともぜいたくなことだった。

達沢山(石和)

登山口へと向かう御坂の国道沿いでは今が盛りと花が咲き誇っていた。このあたりでは桜もほぼ同時に咲くので、濃淡入り混じった桃色が山すそを埋める。山梨百名山になってからしっかりと径のできた達沢山、かつては薮に悩まされた尾根径も呑気に歩けるようになっていた。長い尾根下りののち、飛び出した農道ではまさに桃の花盛り、大栃山へとせりあがる斜面が桃色に染まっているのがことに見事だった。
カボッチョ(南大塩)

朝起きると雪がうっすらと積もっていた。予定では菰釣山だったが、早めに良くなりそうな長野県方面に計画を変更、季節はずれの新雪の山々を眺めるべく、霧ヶ峰にいくことにした。カボッチョに登れば、きっと眺めもよかろうと思ったが、あいにく垂れ込めた雲はなかなか去らなかった。それでも、誰の足跡もない新雪を踏んで、笹原の山を勝手気ままに歩くのは気分がいい。たった3人で広大な笹原を独占した。
思親山(南部)

登山口のJR身延線内船駅から標高差は900mある。佐野峠までは車道歩き、峠からやっと土の道となる。カタクリが登山道脇に大柄な花を揺らせていた。まるで公園のような頂上でのんびりと昼休みをするうちには富士山がはっきりとしてきた。はるか下に内船の集落が見え、あそこから歩いてきたと思うと気分がいい。新緑をいち早く楽しもうと計画したこの時季の思親山であった。目論見どおり、何とも楽しい春の一日の山歩きとなった。

菰釣山(御正体山)

心地よい風が吹いて、さわやかな新緑のハイキングとなった。城ヶ尾峠に近づくにつれブナが多くなってきて、甲相国境の稜線でそれが圧巻となった。丹沢では枯死したブナが多いが、ここでは、旺盛な大木も多く、まるでブナの並木道を歩くようだ。避難小屋に荷物を置いて菰釣山に登る。さわやかだった風も、雨を呼ぶ風に怪しく変わり始めた。山中湖が遠くに白い水面を見せているが富士山は見えなかった。
林道に出たとたんに雷雨に見舞われた。
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