倉見山(河口湖東部、富士吉田)

新年最初の山行というので、富士を近くから見ることにする。かつての藪山も今ではハイキングの山。東桂から登ると、頂上につくまで富士山が全く見えないのがこのコースの面白いところ。尾根筋には雑木林がふんだんにあって、冬も風情があるが、新緑紅葉はまたすばらしいことだろう。三連休の初日とて、少しは登山者もいるのかと思ったら、ついに誰に会うこともなかった。
足和田山(鳴沢)

無風快晴、見えるべき山はすべて見えた。山頂五湖台は樹木が伸びて台無しだが、三湖台からの南アルプスと樹海の眺めはすばらしい。先を急ぐこともなく、隊列を組むわけでもなく、こんな尾根道を枝越しに四囲の山々を眺めながら歩くのは、山歩きの大いなる愉しみのひとつだと思う。美しい雑木林の多く残るこの山の鯨の背中のような頂稜を西端から東端まで、実にのんびりと歩くことができた。なかなか険しい、鬼ヶ岳から十二ヶ岳にかけての山々を近くに望む展望台でもある。
三石山(身延)

富士川べりの山中には、ずいぶん高いところに集落があって、この山の登山口にあたる大崩もそのひとつ。なんでこんな山奥にと我々は思うが、これはごく近代的な驚きかもしれない。何事にも必然はある。尾根筋が伐採され、植えられたヒノキがまだ若いので、思いがけなく大展望が得られた。前衛の山々を抜いてずらりと並ぶ南アルプスがすばらしい。富士は大沢崩れを正面にして、厳しい姿を見せる。同じ甲州でも北巨摩とはまるで違う山の味わいである。
兜山(塩山)

無風快晴の朝、高地に住む我々は、山登りのためにまず甲府盆地へと下る。一宮御坂ICあたりでは目指す兜山は後ろの山に重なってどこにあるかもわからない。春日居に近づくにしたがって山名そのものの姿に変わっていく。つい10年前までは登山口を発見するのに一苦労だったこの山も、山梨百名山に選ばれて気軽なハイキングの山となった。甲府盆地の東部から南部にかけての山々の大展望が得られる。かつて日経新聞に書いた紀行もご覧ください。
竜ヶ岳(精進)

この山がつい10年前までは藪に埋もれて人が訪れることもなかったなんて不思議な気がする。富士山から見て同じような距離にある足和田山はあれだけ昔からハイキングの山として有名だというのに。最初雲に隠れていた富士が、中腹までさしかかったとき突如現れた。最初から見えているよりずっとすばらしい演出だった。なかなかこういう経験はしたくともできない。頂上からは南アルプスの山脈が、前日の雪で真っ白に並び、申し分ない景色だった。
茶臼山(石和)

この山を山村正光さんがガイドブックに書いたのはもう10数年前、そのころは甲府盆地側が伐採されてすこぶる展望がよかったが、今では潅木が伸びて眺めを隠してしまった。一部分だけでも開いて展望をよくするのは、妙な木段を造るよりはよっぽど気のきいた整備だと思う。茶臼山は登山道が整備されたが、隣接する大沢山、二本木山はいまだ藪山のままだった。途中、雲母山の山腹に新しい林道ができているのを見た。林道建設は県の最優先の事業なのだろうか。

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