遠藤さんとお会いしたのは2度だけである。最初は、横山さんがここで書かれているロッジ山旅のお客さんとして。2度目は、遠藤さんが高尾山に登りたいと上京したとき、横山夫妻がそれに付き合って、私も便乗したときであった。すがぬまみつこさんがそれに加わっていた。後から追いかける形になった私を薬王院の前で待っていてくれ、やあ、お久しぶりと握手したその手が大きくて厚ぼったくて暖かかったのを覚えている。

吾妻と吾妻小舎の良さは横山さんからさんざん聞かされており、遠藤さんの病状も逐一知らされていたから、何とかお元気なうちに一度とは思っていたが果たせなかった。