19. 北八ッ      1997(平成9)年9月11日

母親が入院して、泊まりの山へ行けなくなった。そこで考えたのが北八ッを日帰りで歩こうという、このコース。早朝の列車で茅野。タクシーで麦草峠にあがったあとは、大石峠‐中小場‐茶臼山‐縞枯山‐縞枯山荘、ロープウェイ山頂駅。ここからはロープウェイには乗らずに歩いておりた。ロープウェイの下の道は眺めも広々として、大いに気に入った。八ヶ岳プロパーの連なりを横目にしながら、とんとん拍子にくだっていくのが快適至極だった。

これが忘れられずに、今から3年前の2015年の初秋、登りはロープウェイ、くだりはこの道を歩いてみれば、昔と今では大違い。周りの景色はけっこうとしても、道には大小の石ころが転がっていて歩きにくいことおびただしい。「前はこんなことはなかったのに」とぼやきながら、やっとの思いでくだった。脛はみしみしいうし、痛い膝がなおさら痛くなった。この足の痛さと大草臥れの原因は2015−1997=18という年月のせいかも知れず、60代と80代とでは大違いなことを身に沁みて思い知らされた。とはいうものの、W雀、百までW。これより左側に付けられたスキーコースの草付き斜面を選べば足元も柔らかで、なんとか歩けるのではないだろうか。しかし、今、長沢さんにそれをいえば、必ずや「性懲りもなく!!、もう、いい加減でやめたほうがいいですよ」とおっしゃるに違いない。  (2018.9)
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