8.富士見山
      1986(昭和61)年1月15日

前日は関原峠辺の尾根をさぐり、くだっては甲府から身延線で甲斐岩間へ。のち、タクシーで平須にあがり、予約しておいた鴻之池荘という民宿に泊った。

ところで、富士見山は「山梨百名山」の1山でもあり、このHPの勧進元である長沢洋氏執筆の『山梨県の山』(山と溪谷社/2007年版)にも詳しく説明されている。そして、その一節「富士山が見えるのは当たり前の甲州の山で富士見を名乗るのは珍しい。しかし、わざわざ名乗るわりにはことさら富士山の眺望にすぐれる山だとは思えない。むしろ悪沢岳、赤石岳など南アルプスの展望と、中腹以上の樹林のすばらしさがこの山の持ち味だと思う」とは、まことにその通りと納得すると同時に、この文章、なんとなく筆者の人柄そのままとも思えてにこにこしてしまうのである。



上 上記ガイドブックに「左に尾根をたどり、平須からの登山道を合わせてひと登りで富士見山山頂である。ここは麓の念力教会の奥ノ院とされ、祠や木札がところ狭しとある。三角点は20分ほど先のカラマツ林にあり、ここより少々高いものの、眺めのないところだから、一般的にはここが富士見山の頂上とされているようだ」とある、その頂上からの南アルプスの眺め。

中・下 富士見山からは同じ道を平須へ戻り、そこからは、昔の細道を選んで国道沿いの寺下橋へおりた。私にとっては、山そのものよりも、このくだり道のほうがずっと心楽しいものだった。富士山にしろ、上の少しばかりが見えているところがチラリズム的でもあって、かえって好いではありませんか。 

(2014.5)

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