29.尼ヶ禿山
    1991(平成3)年4月10日

群馬県は玉原湖(たんばらこ)の西に尼ヶ禿山(あまがはげやま)という1466㍍の山がある。残雪の季節、この山に登ろうと寺田政晴君と出かけた。上越線沼田駅からタクシーで玉原湖の堰堤きわまであがり、10時少し前に歩きだした。

今は人っ子1人いないその辺り、堰堤を渡って湖の西岸に行くと、雪の中から鉄バシゴの2、3段が出ているのを見つけ、ここが登山道の始まりだろうと取り付いた。あとはずっと雪を踏み、上へ上へと登っていけばよいのだから簡単だ。歩き出しの頃は、薄暗い雲が低迷して気勢があがらなかったが、やがて青空がのぞき、陽がさすようになれば異口同音の「あぁ、いいねぇ」の登高が2時間弱。お昼前には山頂に登りつき、珍しく1時間の長休みとなった。

下りは玉原越えの鞍部におり、そこから湖とは反対の藤原側への沢道をくだった。雪がなければ普通の登山道、また一面雪に埋まっていればどうという事もないところだが、中途半端に雪があり、大きな塊が滝の脇に引っかかっていたりして少々剣呑な箇所もあった。藤原湖のダム管理事務所前から水上駅行きのバスに乗って帰った。



上 目の前に尼ヶ禿山の山頂が見えてきた。山頂直下の西側には大きな山崩れがあり、それが尼さん剃髪頭のハゲだという。

中 寺田君同行の山では、昼時は決まって彼がドリップのコーヒーをいれてくれた。

下 目の下には玉原湖の水面。この辺りの気分の好さは、くだってしまうのが勿体ないくらいだった。

(2014.8)

中、下の写真はクリックすると大きくなります

横山厚夫さんのちょっと昔の山 カラー篇トップに戻る