28. 上州三峰山
   1988(昭和63)年4月16日

上越線後閑駅下車の山。西側から眺めると扁平な台形状の山容で、標高は1122.5㍍。南端の900㍍近くには河内神社があり、そこまでは車道があがっている。

私たちは、それよりずっと下の竜谷寺(高さは約450㍍)からの歩道を登り、長い山稜を北にたどった。これも寺田政晴君同道の山で、この頃、彼とは本当によく行っている。本欄をご覧の方も、カラーポジ・フィルム時代の「その3」になってからは、毎度のように寺田君の勇姿に眼を見張っておいでのことだろう。

当時、寺田君は某大手デパート勤務のサラリーマンで、通信販売部門の担当だった。上には何にも分からない課長が別室にいるだけで、彼が一切を取り仕切っているのだといい、それを幸い「私がいなくとも、バイトのオバサンたちがよくやってくれるのです」と休みたい放題のいい身分だった。もっとも、それだけに、そのオバサンたちへの心配りはたいしたもので、山の帰りには必ずといってよいくらいにお土産を買っていた。そんな常々、「私はオバサンたちには絶大な人気があるのです」というのが、寺田君の自慢の1つでもあった。



上 おそらく谷川連峰を写したものだと思う。

中 竜谷寺から登りはじめると、やがて鳥居があった。この道は車道が出来る以前は河内神社の参道でもあったのだろう。

下 三峰山の頂上。思ったより雪は少なく、彼の新調のプラスチックブーツも本領を発揮しないで終わってしまった。

 (2014.8)

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