18.苗場山
   1996(平成8)年7月21日

高校からの友人、斜山三吉は苗場山の麓にマンション形式の別荘を持っていて、「おい、お前、俺んちへ泊まって、苗場山に行こう」と誘ってくれた。私は前に1度苗場山に登っているが、それは赤湯温泉からの昌次新道を歩いたのであり、和田小屋からの道は知らない。よって、ありがたく提案を受け、和田小屋‐神楽ヶ峰‐苗場山の往復登山をすることになった。梅雨明け早々の1日、朝方は快晴、時間が経つにしたがい雲は多少沸いてきたものの眺めもあって楽しい登山になった。斜山には、厚く礼を述べた。

なお、この一文を書きながら、気になって「あの別荘、どうした? まだ、あるのか」と斜山に電話してみたところ、今は以下のような按配の由。

「子供たちも大きくなって、誰一人、あんなところへ行く奴もいない。スキーのために買った別荘だけど、俺も歳で、スキーも、もう終わりだ。そこで売ろうと思い地元の不動産屋に値踏みさせたら、15万でも売れれば御の字だとさ。中には持て余してタダでもいいから貰ってくれないかという持ち主もいるそうだよ。温泉が出るわけのものでもないし」。



上 苗場山の頂上湿原。まだ、ところどころ雪が残っていた。

中 苗場山を目前にして。和田小屋からのコースでは、この最後の登りがなかなかきつい。

下 小松原湿原への分岐点。1971年9月の時は、赤湯温泉と苗場山頂上の小屋に泊まった3日目、この分岐から小松原湿原に遊び、逆巻温泉へくだった。小松原湿原通過が丁度お昼ごろになり、インスタントの笊蕎麦を食べたのを覚えている。中野英次さんが一緒だった。

(2014.7)

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